OCメモリ通信

OCメモリ通信~1GBメモリのチップ~

57656b1a.jpgたまに「OCメモリ通信」というのを書いてみたいと思います。内容はどうしてもマニアックになってしまいますので、ご了承ください(笑)。

「OCメモリ通信」初回は1GBのOCメモリのラインナップが増えてきましたので、ちょっとまとめてみたいと思います。

1GBオーバークロックメモリがリリースされるようになったのは512Mbitチップに高耐性なものが出てきたからです。現在1GBのOCメモリに使われている主なチップは……


(1)Infineon HYB25D512800BE-5……Team DDR400 1GB、OCZ PC3200 Titanium 1GB、OCZ PC4000 Platinum EB 1GB、G.Skill PC3200ZX、Patriot PC3200LL 1GB 2-3-2-5

(2)Samsung K4H510838C-UCCC……Team DDR500 1GB 3-4-4-8、OCZ PC4000 1GB、G.Skill PC4000 1GB

(3)Micron MT46V64M8-5B D……Crucial PC4000 1GB、Team DDR500 1GB 3-3-3-8

の3種類です(実際の製品例の一部は推測)。
それぞれの特徴ですが……

InfineonBE-5

(1)CL2という低レイテンシーで動作するのがInfineon BE-5。
メーカーにより2-3-2-5、2-3-3-5というスペックでリリースされています。これらOCメモリとして出回っているものの他にも、DDR400 1GBでBE-5搭載のメモリはありますが、これらの多くもCL2での動作が可能のようです。
またBE-5には高クロックで動作するものも存在します。以前、当店で販売していたTeam Xtreem DDR500 Infineonも高クロックで動作し、TAKEさんの検証によればCL2.5-3-2-5で260MHzの動作を記録しています。ただこれは製造週が新しいから高クロックで動作するというものではなく、BE-5と呼ばれているチップのなかでも2つのキャラクターのものが存在するのではないかと考えています。なぜなら以前入荷したTeam DDR400 1GB InfineonとTeam DDR500 1GB Infineonはチップのカットパターンが異なりました。Infineonの場合、カットパターンは数パターンあり、かなり見分けがつきにくくなっています。

高クロック動作に関しては一部こういったものが採れるようなのですが、報告例は少ないです。Infineonチップ最新情報としては512MbitチップのCE-6が載ったものがでてきます。型番からわかるようにチップのスペックはBE-5より下位になりますが、耐性があるものが採れたようです。

Samsung C-UCCC

(2)Samsungの1GBメモリはBダイのTCCC、CダイのUCCCがあります。その中でもCダイのUCCCは高クロックでの耐性が望める個体があります。CL3-4-4-8タイミングなら290MHzくらいの耐性を持つモノもあります。C-UCCCは高クロックにはタイミングがほとんど詰められないようです。DDR400のメモリに載っている場合がありますが、これらが必ず高クロックで動作するということはありません。ですがバルク品の中にも高クロックで廻るものも存在しているようですので、チップが確認できるならそれらを探してみるのも面白いかもしれません。確実にDDR500スペックを実現したい方はOCメモリを購入された方がいいでしょう。

また最近は512MbitでDダイのUCCCチップも出てきています。耐性は未知数ですが、いつものSamsungの調子からすると最初の方のロットは良くないかもしれませんね。

Micron 5B D

(3)Micron 5B DはCrucial PC4000 1GBに搭載されたのが始めだと思います。Teamでは3-3-3-8というスペックでリリースしています。~DDR500でSamsungよりつめられるというのが特徴のようです。ですが、このチップのすごいところはDDR600超えしたものが存在することと、2-2-2-5動作(DDR400)できるものがあるということです。これらも一部のチップで検証例は少ないです。2-2-2-5動作をしたものは見たことがありますが、DDR600動作した個体はまだ見たことがありません。スペック的には一番面白そうなチップなのですが、個体差、製造週により耐性にはかなり幅があり、スペック以上の期待はあまりしないほうがいいかと思います。

で、いったいどれがいいの? と聞かれそうですが、個人的にはSamsungチップのものが一番使いやすいと思います。低レイテンシー動作をという場合はInfineon、検証好きな方はMicronといった感じでしょうか?

※なお掲載写真のチップの製造週などは耐性と関係ありません。型番が確認できるものの写真を使用していますのでご了承ください。

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