今回は、AMDの新たなハイエンドGPUとして登場した「Radeon RX Vega」について、そのスペックと特徴をご紹介いたします。
新アーキテクチャ「Vega」と「HBM2」を採用したハイエンドGPU
Radeon RX Vegaは、AMDのGPUが14nmプロセスで製造されるようになってから初めてのハイエンドGPUです。基本設計であるGPUアーキテクチャには、既存のRadeon RX 500 シリーズの「Polaris」ではなく、内部設計を刷新した「Vega」が採用されました。
また、新しいGPUアーキテクチャの採用に留まらず、VRAM(ビデオメモリ)には「HBM2」を採用しました。かつてRadeon R9 Furyで採用されたHBMの後継規格であるHBM2は、2,048bitという広いメモリバスでGPUと接続しており、最上位のRadeon RX Vega 64では484GB/secものメモリ帯域幅を実現しています。
Radeon RX Vegaには、上位モデルである「Radeon RX Vega 64」と、下位モデルの「Radeon RX Vega 56」の2製品が用意されています。また、上位のRadeon RX Vega 64には水冷バージョンが用意されており、こちらは通常版よりも高いクロックで動作する仕様となっています。
ハイエンドGPUであるRadeon RX Vegaシリーズは、最先端のグラフィックが特徴のゲームであっても、フルHD解像度で最高画質、WQHD解像度でもゲームをプレイできるレベルの性能が期待できるGPUですので、PC版ならではの高画質・高フレームレートで本格的にゲームをプレイしたい方向けの製品となります。
動的ディスプレイ同期技術のFreeSyncや録画機能のReLiveなど、機能面ではNVIDIAに勝るとも劣らない充実具合が魅力のRadeonに、ハイエンドクラスの性能を持った製品が登場したことで、ゲーム目的でPCを構築される方にとって、GPU選びの幅が広がることになるでしょう。
ライバルであるGeForce GTX 1080/1070との比較では、電力効率の面で圧倒されているのものの、性能や機能面では競合できる要素をRadeon RX Vegaは備えています。発売直後の現在は品薄ですが、今後各グラフィックカードベンダーのオリジナルモデルが登場してくるようになれば、ハイエンドGPUの選択肢の一つとして、検討に値する製品となるでしょう。