今回はOCMEMORY DDR4-3600に搭載された新DRAM、SK hynix C Dieを中心に、ちょっとメモリのDRAMについて紹介したいと思います。
オーバークロックメモリに使用されるDRAMは長くSamsung B Dieの時代が続いています。
元々、オーバークロックメモリはDRAMのスペック以上の動作をメモリメーカーが保証して販売しているものです。そのためDIY上級者はDRAMになにが使われているかで、メモリの良し悪しを判断しています。DRAMがメモリの耐性、互換性、特性を決めるといっても過言ではないからです。
現在もハイクロックのものはやはりSamsung B Dieが使われています。先日当店で発売開始したGALAX HOF II DDR4-4000もB Die搭載の製品です。
ここのところDRAMラインナップにも変化が出てきています。
DRAMはSamsung、SK hynix、Micronの3社がメジャーブランドで市場の多くを占めています。ですがメモリ市場は価格競争が激しいため、これら3社以外の安いチップが採用されていることもあります。もちろん安いチップだから悪いということはなく、使用環境でスペック動作に問題がないならOkだと思います。
DIY PCのメモリ選びでメジャーブランドDRAM搭載品を選択する理由としては
・DRAMの素性がわかる
・互換性が高い
・最新プロセスのものがある
というところがメインとなります。
中でも評価が高いのがSamsung B Dieです。でも「B Die」というワードがちょっと独り歩きしすぎた感は否めませんが。。。
1年ほど前までは、よほど選別しない限りSK hynixはDDR4-3000まで、MicronはDDR4-2666までと言われていました。でも現在はSK hynix、MicronでもDDR4-3200を超えるスペックが作れるようになっています。DDR4-4000オーバーは今でもSamsung一択といえますが、それ以下は他のDRAMが選べるようになってきたといえます。
SK hynix C DieはM Die、A Die、B Dieに続くSK hynix DDR4の第4世代ということを意味しています。
このチップをデータシートで見ると、DDR4-2933、DDR4-3200というスペックが掲載されています。つまり後々DDR4-2933、DDR4-3200のネイティブメモリを視野に入れたDRAMです。しかしJEDECの規格がまだ未決定のようなので、発売はまだしばらく先かと思われます。チップレベルでこれらのクロックをサポートするということは、当然さらに上のマージンを持っていると考えられます。またAMD Ryzen環境での互換性もアップしているようです。
SK hynixのサイトによればC Dieはまだサンプル状態で量産ステータスではありません。組み込みで使用されたりしているようですが、今回のOCMEMORY DDR4-3600のようにDIY用のリテール製品として出てくるのはまだ数量が限られています。
今後メーカーの量産体制にもよりますが、「SK hynix C die」は注目DRAMとなる可能性が高いと思われます。Samsung B Dieとはまた違ったスペックでオーバークロックメモリの一端を担うDRAMとなりそうです。