自作PCの知識

IntelのTurbo Boostとは?

 Intel製CPUの上位モデルは「Turbo Boost」という技術に対応しています。自動オーバークロック機能とも言われるTurbo Boostがどのような技術なのか紹介します。

CPUの動作状況に応じてCPUクロックを引き上げるTurbo Boost

 Intel製CPUが採用するTurbo Boostは、CPUの動作状況に応じてCPUの動作クロックを引き上げる技術です。現在多くのCPUが対応しているのは「Turbo Boost Technology 2.0(以下Turbo Boost 2.0)」で、メニーコアCPUの一部では「Turbo Boost Max Technology 3.0」に対応しています。

 Turbo Boost 2.0に対応したCPUでは、処理を実行しているCPUコア数毎に最大CPU倍率が設定されています。例えば、定格クロックが3.6GHzのCore i9-9900Kでは、Turbo Boost時のCPU倍率は以下のように設定されています。。
9900K-TB2
 Core i9-9900KのBCLKは100MHzなので、Turbo Boost動作時の最大CPUクロックは、1~3コア稼働時のCPU倍率は50倍なので5GHz、4~5コア稼働時は48倍の4.8GHz、6~8コア稼働時は47倍の4.7GHzとなります。

 定格クロックを大きく超えるTurbo Boost倍率が設定されているCore i9-9900Kですが、実際の動作クロックは稼働コア数の他に、温度リミット、電力リミット、電流リミットなど複数の基準値によって制御され、CPUはその時点で許容される最大限のCPUクロックで処理を実行することになります。

Turbo Boost Max Technology 3.0

 Turbo Boost Max Technology 3.0は、Core XシリーズのメニーコアCPUなどで採用されている技術で、Turbo Boost 2.0の発展形とされています。

 Turbo Boost Max Technology 3.0では、CPUが備えるコアの中でも特に高クロック動作が可能なものを識別し、該当コアのクロックを最大限に引き上げるとともに、集中的に処理を割り当てることによりCPUのパフォーマンスを高めます。

 ただ、このTurbo Boost Max Technology 3.0の動作はOS標準機能ではサポートされないため、利用するには専用のドライバとユーティリティをインストールする必要があります。

 ちなみに、Turbo Boost Max Technology 3.0に対応するCPUはTurbo Boost 2.0にも対応しており、ドライバやユーティリティが無い状況ではTurbo Boost 2.0に準拠した制御方法でCPUクロックを引き上げます。

-自作PCの知識