パーツの選び方 自作PCの知識

仕事用ディスプレイ選び ~オフィス編~

今回は、仕事用PCで使うディスプレイの選び方として、オフィスワークなどに適したディスプレイを選ぶポイントを紹介いたします。

A4サイズを原寸表示できるか否かという基準

 オフィスワークで利用する機会の多いのが「A4サイズ」です。もっとも多く利用される紙のサイズのひとつであるA4サイズは210×297mmで、PCで資料を閲覧・作成する際にも標準的なサイズとして利用されています。

 A4サイズを原寸大で表示できれば、A4サイズで作成された資料の閲覧が容易になりますし、自身で作成する場合も文字のサイズや配置などの調整を効率的に行うことができます。したがって、A4サイズを原寸大で表示できるということは、オフィスワーク向けディスプレイを選択するにあたって重要な要素です。

アスペクト比16:9のディスプレイを使用する場合

 現在のディスプレイは、横×縦の比率であるアスペクト比が「16:9」のものが主流となっています。これらのディスプレイでA4サイズ(縦)を原寸大表示可能なのは「23.8インチ以上」となります。

 ただ、アスペクト比が16:9かつ23.8インチのディスプレイは、原寸大のA4サイズを横並びで2枚(見開き)で表示できるのですが、縦方向のサイズがギリギリであるため、原寸大表示にはフルスクリーン表示が必須となります。アプリケーションのユーザーインターフェイスを表示するスペースを考えると、27インチ以上が必要と考えるべきでしょう。

ディスプレイを縦置きするという選択肢

 先ほど紹介した27インチ以上を推奨するというのは、16:9のディスプレイを標準的な横置きで利用した場合の話です。ディスプレイの中には縦置きで使えるものもあり、9:16のディスプレイとして利用すれば、23.8インチのディスプレイでもA4サイズ(縦)の資料を余裕で原寸大表示できます。

 ディスプレイを縦置きで使用するためには、付属のスタンドがピボットに対応している製品か、VESAマウント対応ディスプレイをモニターアームに取り付けるなどして利用する必要があります。

 また、縦長のディスプレイは資料の閲覧や作成には便利であるものの、通常のPCとしては利用しづらい側面もあるので、縦置きと横置きのディスプレイを2台用いるなどした方が便利に利用できます。
モニター縦置き
▲LGのピボット対応モニター(24BL650C-BAJP)

設置スペースと相談しつつ画面サイズや台数を決めましょう

 A4サイズを原寸大表示できるという基準でディスプレイを選ぶことで、オフィスワーク用のPCはより快適に使えるようになりますが、ディスプレイを設置できるスペースが確保できるのかという点にも要注意です。

 27インチ以上のディスプレイを2台以上用意すると作業性は向上しますが、スペースが限られる場合は23.8インチの縦横配置や、ノートPCをお使いの方であれば、ノートPCのディスプレイと縦置きディスプレイという構成をとってみるのもよいでしょう。

 なお、縦置きやデュアルディスプレイで利用する場合、一般的な液晶ディスプレイではパネルの種類によって表示品質に問題が生じることがあります。可能な限り、視野角の広いIPSパネルを採用した液晶ディスプレイを利用するのがおすすめで、逆に視野角の狭いTNパネルは避けるべきでしょう。

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