LGA1700プラットフォーム向けチップセット「Intel 600シリーズ・チップセット」に新たに加わった「H670」「B660」「H610」について紹介します。
LGA1700とAlder Lake-Sに対応するIntel 600 シリーズ・チップセット
Intel 600シリーズ・チップセットは、Alder Lake-Sこと第12世代Intel Coreプロセッサに対応するLGA1700プラットフォーム向けのチップセットです。
2021年11月のAlder Lake-S発売時点では、最上位でオーバークロックをサポートする「Z690」しかありませんでしたが、2022年1月に下位モデルとなる「H670」「B660」「H610」が追加されました。各チップセットの主な機能は以下の通りです。
下位チップセットでもメモリオーバークロックは可能
下位チップセットになるほど機能やインターフェイスが削減されていきますが、その中でも特に大きな制限を受けるのがオーバークロック関連の機能です。
CPUの「Kモデル」はCPU倍率を変更する倍率オーバークロックに対応していますが、その機能を利用できるのは最上位のZ690のみに制限されており、BCLKを変更するオーバークロックに正式対応しているのもZ690のみとなっています。
しかし、メインメモリのオーバークロックについては、H670とB660でも利用可能となっており、XMPに対応したオーバークロックメモリなどが利用可能となっています。
チップセット内蔵のみならず、CPU内蔵PCI Expressの利用制限も
Intel 600シリーズ・チップセットは、チップセット自体にPCI Expressを内蔵しており、チップセットのグレードによって利用できるレーン数がことなっています。
また、CPUに内蔵されている「PCIe 5.0 x16」および「PCIe 4.0 x4」の利用についても、下位チップセットでは制限される場合があります。Z690とH670ではフル機能が利用できますが、B660になるとPCIe 5.0 x16を分割して「x8 + x8」で利用できなくなります。さらに、H610ではSSD用のPCIe 4.0 x4の利用自体が不可能です。
実際に利用できる機能はマザーボードの実装次第
チップセットごとの機能についてはこのように違いがありますが、実際のマザーボードで利用できる機能については製品の実装次第となります。
例えば、B660チップセットの仕様上では、CPU内蔵PCIe 5.0 x16は利用可能となっていますが、コスト削減のためにPCI Expressの速度を引き下げ、PCIe 4.0 x16までしか利用できなくなっている製品も存在します。
チップセットの仕様は利用できる機能の上限であり、それを全て実装しているとは限りませんので、製品を選ぶ際はマザーボードの仕様をよく確認してお選びください。