今回は、Intelの次世代デスクトップ向けCPU「Core Ultra 200S シリーズ」について紹介します。
Arrow Lake-SことCore Ultra 200S シリーズ
IntelのCore Ultra 200S シリーズは、開発コード名「Arrow Lake-S」で知られる次世代デスクトップ向けCPUで、米国時間の10月24日に第1弾製品の発売が開始されました。
Core Ultra 200Sシリーズ最初の製品として発売が予定されているのは以下の5モデルです。いずれも新CPUソケットのLGA1851を採用しているため、従来のLGA1700ソケットを搭載するマザーボードでは利用できません。
Arrow Lake-Sでは、最初のCore Ultraシリーズ製品となったモバイル向けCPU「Meteor Lake」と同じタイルアーキテクチャを採用しており、ベースタイルの上にCPUコアを含む「コンピュートタイル」、GPUコアを備えるGPUタイル、メモリコントローラやNPUを備えるSoCタイル、IO機能を集約したIOタイルを積層実装することで構築されています。
もっとも大きく進化したのがコンピュートタイルで、実装されているCPUコアのアーキテクチャがPコア=Lion Cove、Eコア=Skymontに刷新したほか、製造プロセスも先進的なTSMC N3Bとなりました。これにより、コア当たりの性能と電力効率の向上が期待されています。
一方、コンピュートタイル以外のタイルについてはMeteor Lakeのものを流用しているものが多く、GPUコアはXe-LPG世代、NPUのIntel AI BoostはNPU3世代となっています。これらは、先日リリースされたモバイル向けCPUのLunar Lakeこと「Core Ultra シリーズ2」が採用したXe2やNPU4より1世代前の設計であり、結果的にNPUの性能がCopilot+ PCの要件(40TOPS)を満たせていないのは残念です。
最新鋭のCPUコアを搭載したことを除けば目新しさに乏しいArrow Lake-Sですが、USB4 40Gbpsの上位互換規格であるThunderbolt 4や、合計20レーン(16+4)のPCIe 5.0と4レーンのPCIe 4.0を備えており、IO機能が従来より強化されている点は注目に値します。
新世代の製品ということでCPU性能の向上が注目されがちなCore Ultra 200Sシリーズですが、新CPUソケットLGA1851を採用したマザーボードがどのようなインターフェイスや機能を備えているのかという点も、購入を検討する際に考慮すべき重要な要素となるでしょう。
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