最強ゲーミングCPUのひとつとして知られる「Ryzen 7 7800X3D」は、AMD Ryzen 7000シリーズの中でも特に高い人気を誇るCPUです。
今回は、Ryzen 7 7800X3Dが人気を獲得している理由をスペックや販売価格から解説します。
3D V-Cacheを搭載するゲーミングCPU「Ryzen 7 7800X3D」
Ryzen 7 7800X3Dは、Zen 4ベースの8コア16スレッドCPUです。CPUダイとIO機能を別のチップで実装したチップレットアーキテクチャを採用しており、CPUダイであるCCDに64MBのL3キャッシュを積層実装する3D V-Cache技術によって、合計で96MBという大容量L3キャッシュを実現しました。
この大容量L3キャッシュがゲームにおけるCPUボトルネック解消に大きく貢献することから、Ryzen 7 7800X3Dは上位モデルであるRyzen 9 7950X3Dとともに、最強のゲーミングCPUのひとつに数えられています。
最上位モデルと「同等」のゲーミング性能を実現
Ryzen 7 7800X3Dが最強のゲーミングCPUと評価される所以は、3D V-Cacheを搭載する最上位CPUのRyzen 9 7950X3Dと同等のゲーミング性能を備えているためです。
Ryzen 9 7950X3Dは8コア16スレッドCPUを備えるCCDを2基搭載することで16コア32スレッドCPUを実現しているのですが、3D V-Cache技術によってキャッシュを積層実装したのはこのうち1基のCCDのみとなっています。この構造で3D V-Cacheの効果を発揮するために、ゲーム実行中のRyzen 9 7950X3Dは2基のCCDのうち1基をアイドル状態にして8コア16スレッドCPUとして動作します。
つまり、ゲーム実行中のRyzen 9 7950X3Dは実質的に8コア16スレッドCPUであるため、同じコア数でクロック周波数も近いRyzen 7 7800X3Dは同等のパフォーマンスを発揮できるというわけです。なお、Ryzen 9 7900X3Dについても3D V-Cacheを活用する場合は片方のCCDしか使えないため、6コア12スレッドCPUになってしまいます。
絶対性能とコストパフォーマンスを両立
片方のCCDにのみキャッシュを積層したRyzen 9の特殊な構造により、3D V-Cacheの恩恵が得られる場面では最上位モデルと同等のゲーミング性能を発揮するRyzen 7 7800X3Dは、2024年6月の時点でRyzen 9 7950X3Dより3~4万円も安く購入することができます。
マルチスレッド性能に違いがあるとはいえ、ゲーミング性能に特化したPCを構築するなら非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢であり、ゲームにおける絶対性能と費用対効果の高さこそ、Ryzen 7 7800X3Dが高い人気を博している理由であると言えるでしょう。
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