今回は、Windows PCでの採用例が増えつつあるクアルコムのSoC「Snapdragon X」シリーズに追加された8コアCPUモデルを紹介します。
低価格PCへの採用を目標に8コアモデルを追加
クアルコムのSnapdragon Xシリーズは、Armアーキテクチャを採用するCPU「Oryon」とDirectX 12対応GPU「Adreno」、そして45TOPSのAI演算性能を有するNPU「Hexagon」を統合したSoC(System on Chip)です。
当初は上位ブランドの「Snapdragon X Elite」と「Snapdragon X Plus」で10~12コアCPUを搭載した高性能モデルが展開されておりましたが、現在ではSnapdragon X Plusの下位モデルや廉価ブランドとなる「Snapdragon X」に8コアCPUモデルが追加されました。

8コアCPUを備えるSnapdragon Xの廉価モデルは600ドル以下のPCへの採用を想定しており、CPUコアやGPU性能が削減されている一方で、NPU性能に関しては上位モデルと同等の45TOPSが維持されています。
45TOPSというNPU性能は、Microsoftが提唱するAI PC「Copilot+ PC」の要件(40TOPS以上)を満たすものであり、すでに展開されている製品より安価に購入できるCopilot+ PCの登場が期待できます。
約899gと超軽量ノートのASUS Zenbook SORAにはSnapdragon Xの「X1-26-100」搭載のモデルも用意されています。
なお、Snapdragon Xを搭載するWindows PCは「ARM版」であり、IntelやAMDのCPUを搭載した「x86版」のWindows向けアプリケーションをそのまま使えるわけではありません。
ARM版Windowsにはx86版のアプリを使用可能とするPrismというエミュレータが搭載されていますが100%の互換性を保証するものではないため、使いたいアプリケーションがある場合は互換性を事前に調査しておきましょう。
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