AMDはデスクトップ向けCPUの主力製品として「Ryzen」シリーズ製品を展開していますが、これとは別に「Ryzen PRO」というビジネス向け製品を用意しています。
本日は、Ryzen PROシリーズの特徴と、最新のビジネス・デスクトップ向け製品である「Ryzen PRO 8000シリーズ」について紹介します。
ビジネスPC向けの「Ryzen PROシリーズ」
AMDのRyzen PROシリーズは、ビジネスPC向けのCPU/APU製品群です。一般ユーザー向けのRyzenシリーズ製品と同程度の性能や機能を備えつつ、AMD PROテクノロジーに基づくセキュリティ機能や管理機能を搭載しています。
これらの機能は、マイクロソフトが提唱する「Windows Secured-Core PC」の要件を満たしており、マイクロソフトの製造提携パートナー企業から、高度なセキュリティ機能を備えたRyzen PRO搭載Secured-Core PCがリリースされています。
Windows 11 Secured-Core PC│マイクロソフト
一般ユーザー向けのRyzenをベースに、強力なセキュリティをはじめとするビジネス向けの機能を追加したRyzen PROですが、その真価を発揮するためにはシステム全体がRyzen PROの機能に対応している必要があります。
このため、原則としてRyzen PROシリーズはPCメーカーの組み込み用としてのみ供給されており、一般ユーザーがCPU/APUを単体で購入することはできません。たとえ購入できたとしても、一般ユーザー向けに販売されているマザーボードでは、Ryzen PROのビジネス向け機能を利用することはできないでしょう。
最新鋭のRyzen PRO 8000シリーズ
Ryzen PROのビジネス・デスクトップ向け最新モデルが「Ryzen PRO 8000シリーズ」です。Zen 4世代のCPUコアとRDNA 3ベースのGPUコアを組み合わせたSocket AM5対応のAPUで、一般向けのRyzen 8000Gシリーズとよく似たラインナップとなっています。
Ryzen PRO 8000シリーズは、上位モデルと下位モデルでPCIeレーン数が異なるほか、NPU(Ryzen AI)の有無という大きな違いが生じています。このことから、Ryzen 8000Gシリーズと同様にCPUコアの構成(Zen 4/Zen 4c)も異なるものと考えられますが、Ryzen PRO 8000シリーズについてはCPUコアの構成が公開されていません。
CPUコアの構成がどうであれ、同じRyzen PRO 8000シリーズであっても8600G/GE以上と8500G/GE以下の間には、GPUコアの規模やNPUの有無という大きな違いが存在しています。Ryzen PRO 8000シリーズを搭載したPCの購入を検討されるさいは、上位モデルと下位モデルの違いにご注意ください。