今回は、「2024年5月版CPUの選び方」のハイエンド編として、IntelとAMDのハイエンドCPUを確認してみましょう。
最強ゲーミングCPUを擁するAMDのハイエンドCPU
AMDは最新のプラットフォームであるSocket AM5において、Zen 4アーキテクチャを採用するハイエンドCPU「Ryzen 7」と「Ryzen 9」を展開しています。
また、通常のCPUである「Ryzen 7000シリーズ」のほかに、L3キャッシュを追加で積層実装する3D V-Cache技術を導入した「Ryzen 7000X3Dシリーズ」、RDNA3世代のGPUを統合したAPU「Ryzen 8000Gシリーズ」という、3系統の製品がラインナップされています。
Ryzen 7000X3Dシリーズは大容量のL3キャッシュが高フレームレートゲームで特に高い効果を発揮するため、Ryzen 7 7800X3DとRyzen 9 7950X3Dは現在最強のゲーミングCPUとして人気を博しており、特に構造上より安価で上位と同程度のゲーミング性能が期待できるRyzen 7 7800X3Dは高い評価を得ています。
発熱と消費電力の高さから人気は低いTDP 170WモデルのRyzen 9 7950XやRyzen 9 7900Xですが、Zen 4ベースのメニーコアCPUらしくマルチコア性能は優秀で、コストパフォーマンスにも優れています。最新プロセスで製造されているため、電力リミットの調整で大幅に電力効率を改善することも可能です。
高いシングルコア性能とEコアによるマルチスレッド性能が強みのIntel
IntelはLGA1700プラットフォームにおいて、ハイエンドCPUの「Core i7」と「Core i9」を展開しています。
第14世代CoreことRaptor Lake-S Refreshに属する現行のCore i7とCore i9は、高クロックで動作するPコアの高いシングルコア性能と、多数のEコアによって底上げされたマルチコア性能を合わせもっており、CPUベンチマークでは高いパフォーマンスを発揮します。
最上位のCore i9が8基のPコアと16基のEコアを組み合わせた24コア32スレッドCPUである一方、Core i7についても8基のPコアと12基のEコアを備えた20コア28スレッドCPUとなっているため、14世代のCoreではコストパフォーマンスに優れたCore i7がCore i9以上の人気を獲得しています。
上位モデルは最大負荷時の消費電力と発熱量が大きいモデルばかりですが、多くのアプリはCPUを常時最大負荷で動かすわけではないため、シングル/マルチの両方で優れた性能を有するRaptor Lake-S RefreshのハイエンドCPUは、クリエイティブアプリの編集作業などで高いパフォーマンスが得られます。
個性派揃いのハイエンドCPU、最善の選択肢は用途次第
現行のハイエンドCPUは個性的なCPUが揃っているという印象で、例えばゲーム用途であればRyzen 7 7800X3Dが最有力となる一方、クリエイティブ用途で編集作業が多いならCore i7/Core i9、エンコードやレンダリングで長時間フルパワー動作するならRyzen 7000シリーズといった具合で、最善のCPUは用途によって変わってきます。
まずは、Ryzen 7 7800X3Dが自分の用途にマッチするのCPUであるか否かを最初に検討すれば、ハイエンドCPUの製品選びはよりやりやすくなるでしょう。
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