この記事はこんな方におすすめ
- 最新のRyzenやCore Ultra CPUに「大容量&高クロック」のメモリを積みたい人
- 動画編集やローカルAI処理などの重量級タスクで快適なPCを組みたい人
- DDR5メモリの最新トレンドを知りたい自作PC愛好家

64GBモジュール × 4枚で256GB時代に突入
G.Skillから登場した最新モデルは、ついに64GBモジュールが標準化され、最大256GB(64GB×4)でもDDR5-6000で動作する製品です。クロックDDR5-6000での64GBモジュール製品は市場には初登場となります(CU-DIMM、サーバーメモリを除く)。
今までDDR5環境では、メモリ容量は64GB(32GB×2)または96GB(48GB×2)での運用が一般的でしたが、今回4枚挿し対応となり、一気に256GBまで搭載できるようになりました。もちろんこれほどの大容量は一般用途では必要ありません。しかしメモリを大量に消費するアプリケーションを利用している方にとっては魅力的な製品といえます。
これにより、ハイエンドCPUや最新マザーボードの性能をさらに引き出すことができます。
⚙ 動作環境、製品ラインナップは?
動作環境
マザーボードはAMD環境ではX870チップセット、INTEL環境ではZ890チップセットが推奨ですが、今後、下位のチップセットでも対応できるようになってくると思われます。まだBIOSが順次アップデートされている状況なので、環境についてはまた別記事でフォローしていきます。
最新BIOSにアップデートする必要があるので、新規のPC構築で、DDR5は64GBモジュールのみの所有している場合「BIOS Flashback」機能がついていることを確認しておいたほうがいいでしょう。BIOS FlashbackはCPUやメモリがなくてもBIOSアップデートが可能な機能です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
CPUなしでもBIOSを更新できる?「BIOS Flashback」とは
BIOSアップデート後、EXPO/XMPを有効にすれば起動できます。
これからは、昔の「4枚挿しの大容量=低クロック&不安定」は過去の話となるはずです(発売直後なのでまだ言い切れないですが…)。
注目される用途
用途としては、高解像度での動画編集、ローカル環境での動画生成AI・LLM利用には大容量メモリが有効になってきます。128GB/256GBメモリはそれなりの価格ですが、これらの用途では高速な処理が可能となり、快適な運用とタイムパフォーマンスの向上が期待できます。
- 4K/8K動画のタイムライン編集
- 動画生成AIモデル(Stable Diffusion XLなど)での利用
- ローカルLLM(大規模言語モデル)での利用
🔍 ラインナップと製品選び
現在、256GB(64GB×4)はAMDプラットフォーム向けのみ発表されています。INTEL用は128GB(64GB×2)のリリースとなっています。
メモリタイミングがCL36、CL34、CL32の3種類あります。値が小さいほど高スペックですが、その分価格もアップします。またスペック電圧も高くなっています。4枚挿しの256GBでのシステム構築の場合、モジュール間の隙間が限られ冷却性も落ちるため、長期間の安定動作にはメモリ部分の冷却も考慮したほうがよさそうです。また発熱を考慮して、スペック電圧が低いCL36のモデルの選択もありです。

■AMD用DDR5-6000 256GB(64GB×4)
製品名 | 容量 | CL | 電圧 | 対応プラットフォーム | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
F5-6000J3644D64GX4-FX5 | 256GB (64GB×4) | CL36 | 1.25V | AMD EXPO | ロープロファイルHS 低電圧 |
F5-6000J3444F64GX4-FX5 | 256GB (64GB×4) | CL34 | 1.35V | AMD EXPO | ロープロファイルHS |
F5-6000J3244G64GX4-FX5 | 256GB (64GB×4) | CL32 | 1.40V | AMD EXPO | ロープロファイルHS 低レイテンシ |
F5-6000J3644D64GX4-TZ5NR | 256GB (64GB×4) | CL36 | 1.25V | AMD EXPO | RGB付きモデル 低電圧 |
■AMD用DDR5-6000 128GB(64GB×2)
製品名 | 容量 | CL | 電圧 | 対応プラットフォーム | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
F5-6000J3644D64GX2-FX5 | 128GB (64GB×2) | CL36 | 1.25V | AMD EXPO | ロープロファイルHS 低電圧 |
F5-6000J3444F64GX4-FX5 | 128GB (64GB×2) | CL34 | 1.35V | AMD EXPO | ロープロファイルHS |
F5-6000J3244G64GX2-FX5 | 128GB (64GB×2) | CL32 | 1.40V | AMD EXPO | ロープロファイルHS 低レイテンシ |
F5-6000J3644D64GX2-TZ5NR | 128GB (64GB×2) | CL36 | 1.25V | AMD EXPO | RGB付きモデル 低電圧 |
F5-6000J3444F64GX2-TZ5NR | 128GB (64GB×2) | CL34 | 1.35V | AMD EXPO | RGB付きモデル |
F5-6000J3244G64GX2-TZ5NR | 128GB (64GB×2) | CL32 | 1.40V | AMD EXPO | RGB付きモデル 低レイテンシ |
■INTEL用DDR5-6000 128GB(64GB×2)
製品名 | 容量 | CL | 電圧 | 対応プラットフォーム | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
F5-6000J3444F64GX2-RS5K | 128GB (64GB×2) | CL34 | 1.35V | INTEL XMP | ロープロファイルHS |
F5-6000J3444F64GX2-TZ5RK | 128GB (64GB×2) | CL34 | 1.35V | INTEL XMP | RGB付きモデル |
メリット・デメリットをまとめました。
✔ 良いところ
- 大容量 × 高速動作 の両立
- EXPO / XMPで幅広い環境に対応
- 64GBモジュール、4枚挿しでも安定動作を実現
✖ 考慮すべきところ
- 価格が高価(でも容量単価としてはそこまで高価でない)
- 対応マザーボードが限られている(順次対応が増える予定)
- 超大容量を活かせる用途は限定的
ハイエンド構成で究極のマルチタスクを実現したい方へ
DDR5-6000 128GB/256GBメモリは、「価格は気にしない」「最高の環境を作りたい」という方には間違いなくベストな選択肢になるとともに、特殊用途では推奨されるスペック要件となってくるでしょう。
動作する環境はこれから増えていくと思われますが、当店では現在検証もすすめていますので、製品選びなどで迷われている方はお問い合わせください。また256GBメモリ搭載のBTO PCも発売予定ですので、ご希望のスペックなどがありましたら以下よりお問い合わせお願いいたします。
このブログ記事はPCパーツショップOVERCLOCK WORKSが制作・配信しています
CPUをチェック