新しいメモリを購入したけど動作しない、PCを新しく組み直したけどなんかメモリの不具合のようだ……という方。対処方法を紹介します。
PCは複数のパーツから構成されているため、どのパーツに問題があるのかを見極めることが大切です。もし見当はずれのパーツが悪いと判断してしまうと、安定した動作のPCにするまでに時間と労力が多くかかってしまいます。
当店ではメモリの問い合わせが多いため、メモリを中心としたチェック方法を紹介します。
(1)ちゃんとスロットに挿し込まれているか?
まず疑うべきはここです。「そんなはずはない!」と思わず、一番最初にやってみてください。挿し直しや、スロットを替えてみると何事もなかったようにすんなり動作することも多いです。
もし、メモリの交換ではなく、新規組み立ての場合で、一度も正常に起動していないときはCPUやVGAなど他のパーツも取り付けも確認してみてください。特にCPUクーラーの取り付けがうまくいってないと、起動してもすぐ電源が落ちたりします。
(2)マザーボードのデバッグLEDを確認する
マザーボードにデバッグLEDなどの診断用機能が付いている場合は、これを確認してどこが悪いかを確認してみてください。
(3)メモリを1枚ずつチェックする
PCのメモリの不具合をチェックする方法として、一番有効なのは1枚ずつ試す方法です。
理由としては2枚セットや4枚セットのメモリのうち、すべてが不良のことはごく稀です。大抵、そのうちの1枚が不良です。結果によってだいたいの切り分けができます。
・1枚のみ不具合が出る
その1枚のメモリが初期不良、または故障と考えられます。
・1枚ずつ試しても、どのメモリでも症状が変わらない
メモリではなく他のパーツに原因がある可能性が高くなります。
(4)BIOSをバージョンアップしてみる
高クロックのメモリの場合はBIOSのバージョンを確認してください。マザーボードメーカーはメモリだけでなく、新しいCPUや周辺機器との互換性や安定性をアップさせるためにBIOSを更新しています。
前のバージョンでは不安定だった動作が、新しいBIOSにすると安定することもあります。特にDDR4の高クロックメモリを使う場合はBIOSをチェックしてください。
(5)CMOSクリアしてみる
一度、CMOSクリアも試してみてください。変な設定が残っていて起動しないという可能性もあります。CMOSクリアの方法はマザーボードのマニュアルに記載されています。
(6)最小構成で試す(周辺機器を外す)
起動しなかったり、安定しない原因が周辺機器の場合もあります。USBで接続している機器や、PCI-Eに挿しているボードなどを外してみてください。
またオンボードのGPUでなく、グラフィックボードを使うと症状が改善されるという例もあります。
(7)高クロックメモリの場合
高クロックメモリの場合、CPUのメモリ耐性不足やマザーボードのメモリ耐性不足も考えられます。現在はメモリコントローラーがCPU内に統合されています。そのため、メモリのクロック耐性はCPUに左右されることもあります。またマザーボードのスペックでメモリクロックがDDR4-〇〇〇〇(OC)と掲載されていますが、これはほぼ当てになりません。どのメモリクロックまで動作するかは、メモリのG.Skill社の製品ページのQVLから確認してください。
「CPUのメモリクロック耐性<メモリスペック」「マザーボードのメモリクロック耐性<メモリスペック」という場合は、いくらメモリを交換してもスペック通りには動きません。CPU、マザーボードの耐性に合わせてメモリクロックを落として使用するしかありません。
起動はするけど安定しないという場合は、CPUの冷却不足も考えられます。特にCPUをオーバークロックして、メモリもハイクロックで動作させると、CPU電圧、メモリ電圧共に高い設定になるため、CPU温度がかなり上がります。ハイエンドのCPUクーラーでないと冷却しきれず、動作が安定しないことがあります。
以上、参考に不具合の切り分けをしてみてください。