前回、電源ユニットの出力表の読み方を紹介いたしましたので、今回は電源ユニットの12V出力について解説します。
PCパーツの中でも特に大電力を必要とするビデオカードやCPUなど、主要なパーツへの電力供給は+12Vで供給されるため、電源ユニットの出力の中でも+12V出力は重要なスペックです。
その+12V出力について、電源ユニットには1系統で電力を供給するシングルレールと、複数の系統で+12Vを出力するマルチレールの2種類があります。
上の出力表はシングルレール電源のイメージです。シングルレール電源では1系統で+12Vを供給するため、出力系統を意識することなく電源の配線が可能です。
一方、マルチレール電源は2系統以上で+12Vを供給します。多くの場合、マルチレール電源の各系統が供給可能な電力は、同じ総容量のシングルレール電源より少なくなります。
上のマルチレール電源の出力表イメージでは、+12V1~+12V4の4系統に分かれています。各系統の出力電流は20Aとなっており、系統あたりに供給できる電力は12V×20A=240Wとなります。
このような電源ユニットで、300W以上の電力を必要とするウルトラハイエンドGPUを動作させるには、1系統では出力が足りないため、複数の系統から電力を供給する必要があります。そのため、どのケーブルがどの系統に接続されているのかを把握して配線しなければなりません。
配線の煩雑さと、電源ユニットの供給能力向上により、現在の電源ユニットではシングルレールが主流となっていますが、現在でもマルチレール電源をラインナップしているメーカーは存在しています。特に電力消費の大きなハイエンドGPUを使用する場合、総出力だけでなく、12V出力のスペックをよく確認して選択しましょう。
OVERCLOCK WORKS BTOサイト
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