Radeon RX 400 シリーズは、第4世代Graphics Core Nextアーキテクチャである「Polarisアーキテクチャ」を採用し、14nm FinFETプロセスで製造されたAMD最新のGPUです。
製造プロセスの微細化とアーキテクチャの進化により、従来のRadeon R9/R7 300 シリーズを大きく上回る電力効率を実現。この電力効率の向上と微細化によって、ミドルレンジクラスのGPUでありながら、従来のハイエンドGPUに匹敵する性能を実現した製品もラインナップされています。
上の表は、現在のRadeon RX 400 シリーズのラインナップをまとめたものです。いずれも「ミドルレンジ」に分類されるGPUですが、上位コアの「Polaris 10」を採用したRadeon RX 480/470と、下位コア「Polaris 11」を採用したRadeon RX 460の間には、大きな性能差が存在しており、それぞれ適した用途が異なっています。
●Polaris 10採用のRadeon RX 480/470
Polaris 10コアを採用したRadeon RX 480とRadeon RX 470は、本格的にゲームを楽しみたいユーザーのためのビデオカードとなっています。マルチプラットフォームで販売されているゲームタイトルを、家庭用ゲーム機以上のグラフィックで楽しみたいという方は、2つのGPUのいずれかを選択すべきでしょう。
最上位モデルのRadeon RX 480は、一世代前のハイエンドGPUであるRadeon R9 390に匹敵する性能を150Wクラスの消費電力で実現したビデオカードです。性能と消費電力のバランスの良さはもちろんですが、HDMI 2.0、DisplayPort 1.4といった最新の画面出力インターフェースを備えている点も魅力です。同じGPUコアを採用した下位モデルのRadeon RX 470は、Radeon RX 480の8~9割程度の性能を持っています。
なお、Radeon RX 480とRadeon RX 470には、ビデオメモリの容量違いにより、4GB版と8GB版が用意されています。GPU性能を考えれば、シングルGPU構成で使う分には4GBあれば十分であるともいえますが、多くて困ることは無くても足りないと致命的なのがビデオメモリです。価格差が許容できるようであれば、8GBを選ぶことをおすすめします。
●Polaris 11採用のRadeon RX 460
Polaris 11コアを採用するRadeon RX 460は、先に紹介したRadeon RX 480/470の半分程度の演算ユニットを持つGPUです。GPUコアの規模が半分程度なので、3D描画性能もだいたい半分程度となっています。AMDはe-Sports向けのGPUとしており、ゲーム用途では描画負荷の軽いMoBAタイトルなどでの利用が想定されています。
Radeon RX 460の魅力は消費電力の低さにあります。消費電力は75W以下とされており、メーカー標準仕様では補助電源コネクタなしでの動作が可能となっています。また、上位コア同様、HDMI 2.0やDisplayPort 1.4といった最新インターフェースにも対応しています。ゲームはしないけど高精細ディスプレイは利用したいとお考えのお客さまには、安価で優れた出力機能を持った選択肢となる製品です。
Radeon RX 460の標準仕様では、ビデオメモリは2GBとなっていますが、ビデオカードメーカーの独自仕様により4GBのメモリを搭載した製品も存在しています。また、製品によっては補助電源コネクタを搭載しているものもあり、ビデオカードメーカーによってスペックに少なくない差が存在しています。各製品ごとのスペック欄をよく確認してお選びください。