パーツの選び方

グラフィックカードのアップグレードで押さえておきたいポイント

 グラフィックカードのアップグレードは、PCの3D描画性能を飛躍的に向上させることができる手段です。今回は、グラフィックカードのアップグレードを行う際に確認しておきたいポイントをピックアップしてみました。

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●容量とコネクタ数に注意したい電源ユニット
 グラフィックカードはPCパーツの中でも特に電力消費の大きなデバイスであり、ミドルレンジ以上の製品はPCI-E電源コネクタからの電源供給が必要となります。このため、電源ユニットには、グラフィックカード側に設けられたコネクタと同数のPCI-E電源コネクタと、グラフィックカードの電力需要に対応できるだけの出力能力が求められます。
1レール
▲+12Vがシングルレールの電源表示

 電源容量については、グラフィックカードの製品ページに推奨される電源容量が記載されています。この電源容量はあくまで総容量について記載したものですが、電源ユニットの12V出力が1系統出力(シングルレール)であれば、総容量を見て電源ユニットを決めても良いでしょう。

 現行の電源ユニットで500Wを超える容量を持つ製品であれば、その多くは6ピンと8ピンのPCI-Eコネクタを各1系統ずつ備えている場合が多いのですが、現在のグラフィックカードには1枚で8ピン2系統を要求する製品もあります。あらかじめグラフィックカード側のPCI-Eコネクタの数について確認しましょう。

●拡張スロット周辺のスペースに要注意なPCケース
 近年のグラフィックカードは、メーカー独自デザインの大型GPUクーラーを搭載した製品が多く、ミドルレンジクラスの製品であっても、カードの長さがATXマザーボードの横幅(244mm)を超える製品は珍しくありません。また、GPUクーラーの厚みによって拡張スロット2スロット分のスペースを占有する製品が基本となっており、PCケースにはカードの長さと厚さに対応できるスペースが求められます。

 また、見落としがちなポイントとして、グラフィックカードの高さがあります。横幅が200mmを超える一般的なミドルタワー型ケースであれば、グラフィックカードの高さが問題になることはほとんどありませんが、PCI-E電源コネクタを基板上部に設けているカードでは、グラフィックカードの高さ+30mm程度のスペースが必要となります。横幅の狭いPCケースや、横置きのHTPCケースなどを使用される場合は、グラフィックカードの高さについても十分に注意すべきでしょう。

●後悔のないアップグレードを行うためには
 電源ユニットとPCケースという要素がグラフィックカードに合致しなければ、動作や取り付けが不可能という致命的な問題が発生します。グラフィックカード側を現在の環境に合わせて選択するというのも一つの手段ですが、グラフィックカードと合わせて電源やPCケースをアップグレードするという思い切った選択も有効です。

 性能の改善を狙ったアップグレードで、古いパーツに引きずられて1段下のグラフィックカードを選択するくらいなら、周りのパーツを合わせてアップグレードしてでも、性能的に満足できるアップグレードを目指した方が、後になって後悔することもないでしょう。


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