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HDDの大容量化を支える「ヘリウム」と「SMR」のご紹介

 年々大容量化が進むHDDですが、既存技術では大容量化が困難になってきており、現在の超大容量HDDでは既存技術の他に2種類の新技術を用いたHDDが製品化されています。

 ひとつはヘリウム充填HDDです。これは筐体を密封して内部にヘリウムガスを充填したHDDで、通常の大気より気流抵抗を抑制することで1台のHDDに搭載できるプラッタ枚数を増やし、大容量化を実現しています。

hgst_HelioSeal
 ヘリウムガスを内部に封入するため高コストであるため、価格の高い上級モデルを中心に展開されており、性能や信頼性、耐久性に優れたモデルが多いのが特徴です。

HGSTのヘリウムガス充填HDD
Seagateのヘリウムガス充填HDD

 もうひとつはSMR技術を採用したHDDです。これはデータを書き込む際に一部を瓦状に重ねて記録することでデータ記録に必要な面積を少なくし、1つのプラッタに記録できるデータの容量を増加させることで大容量化を実現しています。

 SMRは既存のハードウェアで実現可能な大容量化技術であり、特殊なハードウェアやガスを用いるヘリウム充填HDDより安価に実現できます。ただし、瓦状記録という特殊な記録方法を用いる関係で、書き込み性能が低く、特に「書き換え」性能が著しく悪いという弱点があるため、「データの保管庫」以外での使い方には適しません。

 大容量HDDでパフォーマンスを重視するなら「ヘリウム充填HDD」が理想で、割り切った使い方ができるならSMRを選択肢に含めても良いでしょう。なお、SMRはこれから普及が進むであろう技術であり、書き込み性能に難があったTLCフラッシュメモリがSSDの主流になったように、今後パフォーマンスが改善され、より広い用途に使えるHDDになっていくのかもしれません。

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