パーツの選び方 自作PCの知識

多いほど良い? 電源回路(VRM)のフェーズ数をご紹介

 今回はマザーボードが備える電源回路(VRM)のフェーズ数についてご紹介します。

 CPUソケットの周りには、CPUへの電力供給を行うための電源回路が実装されています。これは、電源ユニットから供給される12Vの電圧をCPUに供給する電圧に変換する回路です。CPU用の電源回路はマルチフェーズ構成となっているのが一般的で、PWMコントローラで複数のスイッチング回路(フェーズ)を制御しています。

motherboard_phase
 フェーズ数の多い電源回路では、CPUに供給する電力を分散できるため各フェーズの負担を減らすことができ、部品の配置も分散することになるので変換のロスで生じた熱を逃がしやすくなります。ただし、部品点数が増えることになるのでコストが高くなる他、CPUの電力消費が少ない場合は変換効率が悪化して消費電力が若干高くなります。

 原則として、マザーボードには対応CPUを動作させるのに十分なスペックの電源回路を搭載しているので、CPUを定格で運用する場合は電源回路のフェーズ数をあまり気にする必要はありません。アイドル時や低負荷時の効率を重視したいなら、電源回路のフェーズ数は少ない方が良いこともあります。

 一方、オーバークロックを楽しみたいのであれば、電源回路のフェーズ数には一定以上の数字が欲しいところです。

 フェーズ数よりも使われている部品の質の方が重要な場合も多く、単にフェーズ数が多いから高性能な電源回路という訳でもないのですが、高性能な部品でも少ないフェーズで供給できる電力には限界があります。LGA1151やSocket AM4などであれば、CPU用の電源フェーズ数が6フェーズ以上というのが、ひとつの目安にはなるでしょう。

-パーツの選び方, 自作PCの知識