パーツの選び方 自作PCの知識

HDDやSSDの接続インターフェイスについてご紹介

 HDDからSSDへのアップグレードを行う際にも重要になる、インターフェイスや接続コネクタの規格についていくつかご紹介いたします。異なるインターフェイスへのアップグレードは基本的にはできませんが、変換アダプターも販売されていますので、どうしても異なるインターフェイスで使いたい場合は、それらを試してみる価値はあります。

●SATA (Serial ATA)

 ストレージ接続用として最も普及しているインターフェイスです。規格として策定されて以来リビジョンの改定により速度や機能の拡張が行われており、最新版はSATA-III(SATA 6Gbps)などと表記されます。

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 SATAは様々なコネクタで利用できるインターフェイスで、SATA標準コネクタの他、mSATA、eSATA、M.2など複数のコネクタが用意されています。単にSATAと表記されている場合はSATA標準コネクタのことを指している場合が多いですが、ノートPCや一部のメーカー製PCなどでは標準以外のコネクタを利用している場合もあるので注意が必要です。

 また、SATAはリビジョン改定で速度が向上してきたインターフェイスです。最新版では6Gbps(600MB/sec)ですが、3Gbps(300MB/sec)、1.5Gbps(150MB/sec)という計3種類の規格上限速度が存在しています。SATAはコネクタの互換性が確保されているため、最新の6Gbps対応SSDを3Gbpsが上限のPC本体に接続することはできますが、この場合インターフェイスの転送速度は3Gbpsが上限となるため、SSD側はフルに性能を発揮できません。

 そのほか、SATAは通信プロトコルとしてAHCIを利用するAHCIモードの他に、IDE互換モードを備えていることがあり、古いPCでは標準の通信プロトコルがIDE互換モードとなっている場合があります。現代のSATA SSDはAHCIで利用することで性能を発揮するようになっているので、選択できる場合はAHCIモードを選択することをおすすめします。

●M.2
 M.2はバスインターフェイスではなくスロットの規格であり、SATAやUSB、PCIeなど複数のインターフェイスを利用できるスロットです。スロットにはサポートするインターフェイスの違いにより複数の形状(Key)が用意されています。

 M.2デバイスは細長いカード型で提供され、カード長に応じて2280(80mm)、2260(60mm)などの規格があります。M.2スロットにカードを搭載するには、前述のスロット形状とカード長の規格をPCが備えるM.2スロットとそろえる必要があります。

 なお、M.2スロットは複数のインターフェイスをサポートするスロットですが、必ずしもすべてのインターフェイスが実装されているとは限らない点に注意が必要です。

 SATAとPCIeをサポートするスロット形状であっても、ノートPCなどでは配線を省略するため片方しか配線されていないという可能性があります。また、PCIe接続をサポートしていても、レーン数の違いやPCIeの世代の違いによって帯域幅が異なる場合もあります。

●IDE
 SATA普及前に主流だった規格です。現在はほぼSATAに置き換えられていますが、2000年代に発売された製品はIDEを採用している場合があります。SATAとIDE両対応の製品なら、SATAを利用すると良いでしょう。

 接続コネクタは、デスクトップPC向けの40pinとノートPC向けの44pinがあり、現在販売されているIDE接続の2.5インチSSDは44pinを採用しています。このため、デスクトップPCのIDEに接続するのは変換アダプタが必要となります。

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