グラフィックカードをアップグレードすることで、PCゲームや3Dアプリケーション、画面出力機能を強化することができます。今回は、グラフィックカードのアップグレードを行う際のポイントをご紹介いたします。
グラフィックカードのフォームファクターは、過去10年以上に渡ってPCI Express x16スロット接続型の拡張カードが主流です。
スロットの接続バスであるPCI Expressのバージョンは現在「Gen 3」(PCIe 3.0)となっていますが、Gen 1の頃から互換性は確保されており、バス速度の影響で多少の性能低下はあるものの、PCI Express x16スロットを備えた古いマザーボードでも、最新のグラフィックカードを利用することはできます。
接続バス的には広く利用できる現在のグラフィックカードですが、最近のグラフィックカードは大型化しているので、物理的に搭載可能なスペースがPCケース内にあるのか確認が必要です。
現在のグラフィックカードの多くは、GPUクーラーが厚いため、PCI Express x16スロットの隣接スロットが利用できない場合があります。また、カード長も標準的なATXマザーボードの幅244mmを超えるものも多く、ケースによっては搭載できない場合があります。
見落としがちなのが「カードの高さ」です。ハイエンドグラフィックカードでは大型の専用基板を採用している場合があり、横幅の狭いタワーケースや横置きケースなどでは、フルサイズの拡張スロットを備えていたとしても、グラフィックカードとケースの筐体が干渉する可能性があります。
グラフィックカードの交換で最後に注意したいポイントが「電源」です。
ミドルレンジ以上のグラフィックカードのほとんどは、PCI Expressスロットからの給電に加えて、PCI-E端子から電力供給を必要としています。したがって、グラフィックカードを交換する場合、新しいグラフィックカードが要求するPCI-E端子を電源ユニットが備えている必要があります。
また、当然ながらPCI-E端子からグラフィックカードに十分な電力を供給できる容量も必須です。不足するようであればグラフィックカードと共に電源ユニットの交換が必要になります。グラフィックカードメーカーは、動作要件として電源ユニットの容量を公開しているので、これを目安にすると良いでしょう。