以前のエントリーで書いたようにRyzen Gen2の標準メモリクロックはDDR4-2933です。現在DDR4-2933のほとんどのメモリの電圧スペックは1.35Vとなっています。
DDR4標準の1.2Vで動作させるとなると、DDR4-2666メモリの選択が一般的かと思います。
そこでなんとかDDR4-2933 1.2V動作させることはできないか?ということで、動作テストを行ってみました。使用したメモリはOCMEMORY DDR4-3600(OCM3600CL19D-16GBN)です。
いろいろテストして、このメモリは低電圧耐性が高いことが分かったので、試してみました。標準スペックはDDR4-3600 CL19-19-19-39 1.35Vですが、これをDDR4-2933 CL19-19-19-39 1.2Vでテストしてみます。
<テスト環境>
マザーボード:MSI X470 Gaming Plus (BIOS ver. : V30)
CPU:AMD Ryzen5 2600X
設定はBIOSから手動にて行います。クロック、タイミング、電圧をそれぞれ設定します。
【1】メモリクロック
【2】メモリタイミング
「Advanced DRAM Configuration」のサブメニューに入り、タイミングを上から「2T-19T-19T-19T-19T-39T」と設定します。
【3】メモリ電圧
「DRAM Voltage」で「1.2」と手動入力します。
電圧設定をしないと、マザーボード側で電圧を判断し、昇圧されてしまうため、必ず設定してください。
これで設定は完了です。起動してみます。
動作テストとして、MEMTEST86を1passと、Prime95を2時間ほどまわしましたが特に問題はありませんでした。CPU-Zではメモリ電圧がわからないため、MSIが提供しているCommand Centerを入れてみました。このアプリケーションではメモリ電圧が何ボルトで起動しているか確認できます。以下のように「1.2V」で起動しています。
なおこの使い方はスペック外ですので保証されるものではありません。個体差もあると思います。
ただ1.2Vで動作しないときは少し電圧を上げれば安定すると思われますので、そのあたりの知識がある方は十分に使える設定かと思います。
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