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第3世代Ryzenの性能を一番引き出せるのはDDR4-3733?

 先日発売になった第3世代Ryzenについて、AMDが明らかにしているところによれば、パフォーマンス的に効率のいい組み合わせとなるメモリはDDR4-3733であるとされています。なぜそうなっているのかについて解説します。

CPU内部バス「Infinity Fabric」の動作が最速になるDDR4-3733メモリ

 AMDのRyzenシリーズは、初代Ryzen以来CPUの内部のデータ転送などを行う内部バスに「Infinity Fabric」を採用しています。

 第2世代RyzenまでのRyzenシリーズでは、このInfinity Fabricの動作速度はメモリクロックと1:1の比率で同期しているため、動作クロックの高いメモリを使うほど内部バスの転送速度が向上し、CPUのパフォーマンスを底上げすることができました。

 Zen2アーキテクチャを採用した第3世代Ryzenでも引き続きInfinity Fabricとメモリクロックが連動する仕様は維持されていますが、1:1の同期モードの他に、1:2(Infinity Fabric:メモリクロック)の同期モードが用意され、1:1モードで同期できるのはDDR4-3733まで、それ以上は1:2モードでの同期となります。

 これは、高クロックメモリを動作させる際にInfinity Fabricの動作限界が足かせとならないようにするための仕様であり、その恩恵によりDDR4-5000クラスのメモリも動作可能となったとされています。

 ただ、これにより第3世代RyzenのInfinity Fabricの動作クロックはDDR4-3733の実クロックである1866MHzが上限となりました。Infinity Fabricをもっとも高速に動作させることのできるメモリはDDR4-3733であるということになります。
AMD Ryzen_1_R

DDR4-3733以上のDDR4-3866やDDR4-4000だと、パフォーマンスが落ちるのか?

 当然こういった疑問が生じます。これは必ずしも正しいとは言えません。DDR4-3733はCPUの仕様的にInfinity Fabricの動作速度が最速になるというだけであって、最もPCのパフォーマンスがでるという意味ではありません。ですので、DDR4-4000もメモリクロックの高さの恩恵を受けやすいアプリであれば、DDR4-3733よりパフォーマンスは高くなります。一方、内部バスの速度に大きく影響されるアプリは遅くなります。

 実際、DDR4-3733のメモリ製品は多くなく、ほとんどがINTEL向けに開発された製品です。AMDでは安定動作しないこともありますので注意してください。G.SkillのTridentZ NeoはDDR4-3600のラインナップを中心に展開されており、製品としてはDDR4-3600がRyzen第3世代用ハイパフォーマンスメモリとして売れ筋となっていきそうです。

 なお、第3世代Ryzenの定格メモリクロックはDDR4-3200となっており、こちらでもInfinity Fabricは1600MHzという高クロックで動作します。コストや安定性を重視される方は、DDR4-3200メモリがおすすめです。

(※8/2追記)
 AMDの発表ではDDR4-3733以上はInfinity Fabricとメモリクロックの対比が1:2となるということでしたが、実機ではDDR4-3800までは1:1で動作することが確認されています。

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