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AMDの新たなHEDT向けCPU「第3世代Ryzen Threadripper」のご紹介

 AMDより発売されたハイエンドデスクトップ(HEDT)向けCPU「第3世代Ryzen Threadripper」についてご紹介いたします。

Zen 2ベースのハイエンドCPU「第3世代Ryzen Threadripper」

 第3世代Ryzen Threadripperは、Zen 2アーキテクチャをベースにしたハイエンドデスクトップ向けCPUです。

 Zen 2アーキテクチャでCPUコア性能が向上したことに加え、Zen 2世代より導入されたチップレットアーキテクチャによってCPUコアとメモリの接続が効率化され、内蔵インターフェイスも最新のPCI Express 4.0に対応するなど、従来のRyzen Threadripperを大きく上回る性能を実現しています。

 現在までのところ、第3世代Ryzen Threadripperには、4基のCPUダイ(CCD)と1基のI/Oダイ(cIOD)の組み合わせた製品が発売されており、24コアと32コアの2モデルがラインナップされています。

 また、これらの上位モデルとなる64コアCPU「3990X」が2020年中に投入されることが予告されています。CPUコア数やキャッシュ容量、TDPとSocket sTRX4で利用できることが明らかにされていますが、詳細な仕様や価格、具体的な発売時期は不明です。

第3世代Ryzen Threadripper

第3世代Ryzen Threadripperには「Socket sTRX4」と「TRX40チップセット」が必要

 内部構造の大幅な変更やPCI Express 4.0への対応を実現するため、第3世代Ryzen向け専用の新CPUソケット「Socket sTRX4」と同ソケット向けチップセット「AMD TRX40」が投入され、従来の「Socket TR4 + AMD X399」との互換性は打ち切られました。

 第2世代Ryzen Threadripper以前をお使いの方であっても、第3世代Ryzen Threadripperを利用するにあたっては、Socket sTRX4対応のTRX40マザーボードを新調する必要がありますので、ご注意ください。

メインストリームと一線を画す圧倒的なマルチスレッド性能が魅力のCPU

 第3世代Ryzen Threadripperは、Zen 2アーキテクチャの採用によって多くのアプリケーションで高いパフォーマンスを発揮するCPUに仕上がっています。マルチコアへの最適化が十分に進んでいるアプリケーションであれば、メインストリーム向けのCPUとは一線を画す圧倒的なパフォーマンスを実現します。

 一方、Windows向けのアプリケーションで、24コアや32コアCPUを使い切ることのできるものはそれほど多くありません。ゲームなどは使い切れないアプリの典型ですが、動画のエンコードなどでも、通常は16コアCPUを持て余す程度であり、Ryzen Threadripperの強力なマルチスレッド性能を引き出すには使い方の工夫が必要です。

 Zen 2ベースとなったことで、マルチスレッド性能がフルに発揮できなくとも、メインストリームの上位CPUに近いパフォーマンスは発揮できるようになっていますが、基本的には24コア48スレッドや32コア64スレッドを使い切るアテがある方向けのCPUであると言えるでしょう。

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