2019～20年冬シーズンのマザーボードの選び方を、搭載チップセット別に「ミドルレンジ」「ハイエンド」「ゲーミング」の3つ観点からご紹介していきます。今回は「ミドルレンジ」のご紹介です。
Intel製CPU向け「ゲーミング」マザーボードの選び方
Intel製CPU向けチップセットの中からゲーミング用に分類したのは、「B360」「B365」「H370」「Z370」「Z390」の5モデルです。
LGA1151の最上位CPUであるCore i9-9900KSは、Intel自身が「世界最高のゲーミングCPU」と評するCPUであり、この下にもCore i9-9900KFやCore i7-9700K、Core i5-9600KFなど、ゲーム用途で優れたパフォーマンスを発揮するCPUが揃っています。これらを利用するためには、LGA1151対応マザーボードを選択する必要があります。
もっとも高機能でより新しいZ390を搭載したマザーボードは優れた選択肢ですが、一般的なゲームの負荷ではCPUのブースト動作のパワーリミットにそうそう到達しないため、B365やH370などの下位チップセットを搭載した安価なマザーボードを選択して、その分で浮いたコストをグラフィックカードに投入するのは費用対効果に優れた選択です。
ただし、下位チップセットはCPUやメモリのオーバークロックに対応していないため、高フレームレートを追求するためにオーバークロックを行うというのであれば、Z390を選ぶべきでしょう。
AMD製CPU向け「ゲーミング」マザーボードの選び方
AMD製CPU向けチップセットの中からゲーミング用に分類したのは「B450」「X470」「X570」の3モデルです。
ゲーミング用として分類したチップセットは、いずれもSocket AM4向けのチップセットです。3モデルの中で第3世代Ryzenの機能をフルに活用できるのはX570のみとなっています。
第3世代Ryzenは従来のRyzenが苦手だったゲーミング用途での性能を大幅に改善しており、ゲーミングPCのCPUとしても魅力的な製品であり、これからAMDベースでゲーミングPCを構築するなら、Ryzen 5 3600以上のCPUを選ぶことになるでしょう。
第3世代Ryzenを使用する以上、フル機能を活用できるX570が最有力と思われるかもしれませんが、CPUを定格で使うのであればB450やX470であっても、X570と遜色ないCPU性能を発揮できます。また、ゲーム用途ではグラフィックカードにしろSSDにしろ、PCI Express 4.0を使うメリットが薄いため、安価なB450搭載マザーボードを選択してコストを浮かし、グラフィックカードやSSD容量を強化するのがスマートな選択です。
ただし、CPUやメモリのオーバークロックを行うのであれば、X570が最も有力な選択肢となります。Intelと違いAMDのチップセットは下位モデルでもオーバークロックをサポートしていますが、VRMやメモリ回路の設計は下位モデルになるほど貧弱になるため、安全かつ安定したオーバークロックを実現したいのであれば、ミドルレンジ以上のX570搭載マザーボードを選択すべきでしょう。
