2019~20年冬シーズンのGPUの選び方を、「ミドルレンジ」「ハイエンド」「エントリーゲーマー」の3つ観点からご紹介していきます。今回は「ハイエンド」のご紹介です。 NVIDIAのGPUラインナップでハイエンドに該当するのは、GeForce RTX 2060 SUPER以上のGeForce RTX 20 シリーズ製品です。 いずれもレイトレーシング用(RTコア)や深層学習用(Tensorコア)の演算コアを備えたGPUで、DirectX Raytracingによるリアルタイムレイトレーシングや、アンチエイリアシング処理に代わってGPU負荷を軽減する「NVIDIA DLSS」が利用できます。 いずれもフルHDを超える解像度でゲームを楽しめる実力を備えていますが、GeForce RTX 2080以上では4K解像度でのゲーミングがより現実的なものとなります。リアルタイムレイトレーシングに関しても、同GPU以上であればWQHD解像度でも高品質設定で楽しむことができます。NVIDIAのハイエンドGPU
基本的に上位になるほど高性能ですので、予算が許す限り上位モデルを選ぶのがパフォーマンスに関しては有利です。また、GeForce RTX 2070 SUPER以上のモデルは、「NVIDIA RTX NVLink Bridge」を利用することで2枚構成でのSLIを構成できます。
AMDのハイエンドGPU
AMDのGPUラインナップでハイエンドに該当するのは、Radeon RX 5700 シリーズです。
Radeon RX 5700 シリーズは、最先端の7nmプロセスで製造されたGPUで、内部設計をRDNAに刷新したGPUアーキテクチャ「Navi」を採用したことで、従来のGPUよりも優れたゲーミング性能と電力効率を実現しています。
製造プロセスでは12nm世代のGeForce RTX 20 シリーズの一歩先を行くRadeon RX 5700 シリーズですが、現時点で最上位のRadeon RX 5700 XTは、GeForce RTX 2070 SUPERの競合製品であり、GeForce RTX 2080以上の対抗モデルが存在しないのが現状です。
GPU自体の実力は高く、WQHD解像度やフルHDでの高フレームレート動作でも、描画品質を高く設定できますが、専用ハードウェアを備えていないこともあり、DirectX Raytracingによるリアルタイムレイトレーシングは現在のところ利用できません。
5万円前後の予算でハイエンドGPUを求められるのであれば、同価格帯のGeForce製品と十分に競合できる能力を備えたRadeon RX 5700 シリーズは、選択肢に加えるべきGPUであると言えるでしょう。