先日アップした記事「ASRock X570 Phantom Gaming4でOCMEMORY DDR4-3600を試す」にInfinity Fabric Frequencyとメモリクロック(DRAM Frequency)の同期についての観点が抜けていたため、補足したいと思います。
AMDのRyzenシリーズは、初代Ryzen以来CPUの内部のデータ転送などを行う内部バスに「Infinity Fabric」を採用し、メモリクロックと連動する仕様となっています。
第3世代Ryzenでも引き続きInfinity Fabricとメモリクロックが連動する仕様は維持されていますが、1:1の同期モードの他に、1:2(Infinity Fabric:メモリクロック)の同期モードが用意されています。AMDの公表では1:1モードで同期できるのはDDR4-3733まで、それ以上は1:2モードでの同期となるとされていますが、パーツ構成によってはDDR4-3800程度まで1:1同期が可能な場合もあるようです。
第3世代Ryzenでも引き続きInfinity Fabricとメモリクロックが連動する仕様は維持されていますが、1:1の同期モードの他に、1:2(Infinity Fabric:メモリクロック)の同期モードが用意されています。AMDの公表では1:1モードで同期できるのはDDR4-3733まで、それ以上は1:2モードでの同期となるとされていますが、パーツ構成によってはDDR4-3800程度まで1:1同期が可能な場合もあるようです。
この対比は何も設定しなければマザーボードが自動で行います。注意しなければいけないのは、CPU、マザーボード、メモリの構成によってどのメモリクロックまで1:1なのかは異なるということです。A構成のパーツではDDR4-3733設定で1:1動作、B構成のパーツでは1:2動作ということもあります。
そのためパフォーマンスを重視し1:1動作にしたい場合は、ユーザー側の設定が必要となることがあります。XMPの設定だけでは必ずしも1:1動作となりません。
さて先日アップした記事ですが、1:2動作での検証をあげていました。今回使用したASRock X570 Phantom Gaming4ですが、DDR4-3600の8GB×2であれば特に設定しなくても1:1対比で動作していたのですが、16GB×2の場合は対比を1:2に落とすようです。両面実装だとメモリの構成が異なるため、マザー側が自動で調整したと考えられます。
では1:1動作に設定するにはどうすればいいのでしょうか?
Infinity Fabric:メモリクロックを1:1に設定する
BIOSの「OC Tweaker」のInfinity Fabric Frequency and Dividersを1800MHzに設定します。これはDRAM Frequencyと同じ1800MHzなので、1:1となります。もし、メモリがDDR4-3733ならクロック設定は1867MHzということです。
このクロックはCPU-Z Memoryタブの「NB Frequency」で確認できます。BIOSの設定項目はマザーボードメーカーによって異なりますので、マザーのマニュアルなどで確認してみてください。ちなみに1:1以外の数値1600MHzを設定すると、900MHzで起動したため、中途半端な数値を設定するとマザー側が強制的に1:2モードにするようです。
対比についてですが、以前の記事にも書きましたが1:1が必須ということではありません。同じメモリクロックであれば、1:1のほうがパフォーマンスは高くなりますが、メモリクロックが高ければ、1:2動作でもパフォーマンスが上がるものもあります。また1:2のほうが無理がない動作なので安定度はアップします。詳しくは以下の記事をご覧ください。
今回のようにDDR4-3600程度でも両面実装のメモリの場合はInfinity Fabric Frequency:メモリクロック対比が1:2に落ちることがあるようです。パフォーマンスを求めるために1:1にするには、追加の設定と動作検証が必要です。ただし、この対比についてはメモリ側のスペックではないため、安定動作しない場合は、Auto設定で起動する対比で使用されることをおすすめします。