自作PCの知識

登場から1年が経過した新規格「PCI Express 4.0」を再確認

 登場から1年が経過したPCI Express 4.0(PCIe 4.0)の特徴や用途について改めてみてみましょう。

PCIe 3.0の2倍の帯域幅を実現するPCIe 4.0

 約1年前、第3世代Ryzenとともに登場したPCIe 4.0は、1世代前であり現時点で広く普及しているPCIe 3.0の後継規格で、1レーン当たりの帯域幅が8Gtps(1GB/s)から16Gtps(2GB/s)と2倍に強化されています。

 現在のところ、PCIe 4.0が利用できるのは、Socket AM4向けCPUである第3世代RyzenとX570およびB550チップセットの組み合わせの他、AMDのハイエンドプラットフォームであるSocket sTRX4のみです。
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有効な用途は変わらないものの、周囲の状況は徐々に変化

 インターフェイスにPCIe 4.0を用いるデバイスとしては、AMDのGPUであるRadeon RX 5000シリーズの他、PCIe 4.0 x4を採用するM.2型NVMe SSD、PCIe 4.0対応M.2スロット増設拡張カードなどが登場しています。

 PCIe 3.0比で2倍の帯域幅を実現するPCIe 4.0の恩恵をもっとも受けられるのはPCIe 4.0対応NVMe SSDで、5GB/sクラスの転送速度を実現するSSDが複数のメーカーからリリースされています。

 現在のところ、登場時点からSSD以外で恩恵が感じにくいという状況に変わりのないPCIe 4.0ですが、ファイルサイズの大きい4K以上の高解像度動画や、GB/sクラスの転送速度を備えたCFexpressの普及など、PCのストレージにも大容量ファイルや最新メディアに見合う高速性が求められるようになりつつあります。今後、PCIe 4.0 SSDの高速性が実用レベルで役立つ場面が増えてくるでしょう。

 現時点では用途が限られるPCIe 4.0ですが、これに対応するPCを構築しておくことで、今後より高速なSSDや拡張インターフェイスカードが登場した時、アップグレードで対応できる幅が広がります。長期に渡って使うPCを自作する予定のある方は、PCIe 4.0対応も考慮にいれたほうがいいでしょう。

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