メモリの知識 新製品情報

Ryzen5 5600X & MSI B550マザーでDDR4-4000オーバー同期設定を試す

Ryzen 第4世代5000シリーズはRyzen 第3世代と公表メモリスペックは同じですが、実際はメモリ耐性がアップしています。

今回は同期設定のメモリクロック限界値を探りたいと思います。
同期設定についてここでは詳細を説明しませんので、以前の記事で予習をお願いします。

Ryzen 5000シリーズ向けメモリの選び方
第3世代RyzenのInfinity Fabric Frequency:メモリクロックの設定について

【テスト環境】
マザーボード:MSI B550 TOMAHAWK(BIOS:A40)
CPU:AMD Ryzen 5 5600X / Ryzen 5 3600X
メモリ:OCMEMORY OCM4000CL19D-16GBN (DDR4-4000 CL19 8GB×2)

Ryzen5 3600XではやはりDDR4-3800が限界か?

まずはRyzen5 3600Xで耐性を確認します。
DDR4-3600設定の場合は、特別な設定をしなくても1:1起動しました。
次にDDR4-3800を設定をすると、そのままではクロックは1:2に落とされてしまいます。
そこでFCLKを「1900MHz」に設定して、強制的に1:1で起動させます。

以下がMSI B550 TOMAHAWKでBIOS設定方法です。
(1)XMPを設定する
   A-XMPを「Profile1」に設定
(2)メモリクロックを変更する
   DRAM Frequencyを「DDR4-3800」に設定
(3)FCLK設定を変更する
   FCLK Frequencyを「1900MHz」に設定
(4)GearDownモードを変更する
   Advanced DRAM Configuration --> Misc Item --> Gear Down Modeを「Disabled」に設定
   奇数CLを有効にするため

他のマザーボードでも同様の項目を設定すればOKです。またはメモリクロック、タイミング、電圧を手動で設定します。

起動もOKで、10分ほどの負荷テストも通りました。
DDR4-3800より上の設定では、1:1では起動しませんでした。
なので、3600Xでの限界値はDDR4-3800前後であると考えれらます。

Ryzen5 5600XではDDR4-4266に到達!

では、5600Xに交換して試してみます。CPU以外の構成はそのままです。
まずはメモリのスペックであるDDR4-4000に設定してみます。
やはりそのままでは1:2に落とされてしまうため、3600X同様にまずXMP設定をして、さらにFCLK Frequencyを「2000MHz」にして起動してみました。
5600X DDR4-4000_02

この設定では負荷テストも問題なく通りました。
次にDDR4-4133もOK、最終的にDDR4-4266まで動作OKでした。
DDR4-4400では起動しませんでした。1:2設定の場合は、DDR4-4400起動が可能でしたので、DDR4-4266辺りが同期設定の限界であると思われます。
5600X DDR4-4266_02

Ryzen 5000シリーズのメモリ耐性はDDR4-4000以上

この結果からみられるように、Ryzen 第4世代5000シリーズは明らかにメモリ耐性がアップしています。

Ryzen第3世代でもDDR4-4000以上の動作は可能でしたが、同期設定を考慮するとDDR4-3600以上はなかなか手が出しにくいのが現状でした。ですがRyzen 5000シリーズでは耐性が伸びているので、DDR4-4000以上も視野に入れてメモリを選ぶことができます。今後、AMD対応を謳ったDDR4-4000以上のメモリも発売されてくると思います。

G.SkillからはRyzen 5000シリーズ対応DDR4-3800製品が発売されました。

マザー、CPUの個体の耐性、またメモリのランク構成、DRAMによってもクロック耐性に変化があると思われます。検証結果は環境や個体の耐性違いによっても左右されますので、その点ご理解の上、参考にされてください。

注意としてはDDR4-4000を超えるメモリはほとんどが1.40V以上のスペックとなっています。マザーによってはメモリクロックを上げることで、電圧AUTOでも自動で電圧を上げる仕様になっています。これからは寒くなるので、あまり問題はでないかと思いますが、電圧の上げ過ぎには注意したほうがいいでしょう。

-メモリの知識, 新製品情報