自作PCの知識

メモリテスト「MemTest86」と「Memtest86+」

 MemTest86とMemtest86+は、いずれもメインメモリに負荷をかけてエラーの有無をチェックするメモリテストです。今回はこれらのソフトの違いについて紹介します。

PassMark MemTest86

 末尾に「+」がつかないMemTest86は、Passmarkが提供しているメモリテストで、無償版のMemTest86と、有償版(44ドル~)のMemTest86 Pro Editionが用意されています。無料版でもメモリの動作テストは可能ですが、テストの連続実行は4周(4パス)までに制限されています。

 MemTest86は2013年以降コンスタントにアップデートが重ねられており、新しいCPUやマザーボードでテストを実行できます。最近のパーツで構成されたPCでメモリテストを行う場合、基本的にはMemTest86を利用すると良いでしょう。

 なお、現行バージョンであるV8.x系は、UEFIが導入されたマザーボードにしか対応していないため、UEFI提供以前の古い環境で実行する場合は、旧バージョンのMemTest86 V4を利用する必要があります。

Memtest86+

 Memtest86+は、過去に更新が停止していたMemTest86 v3.0をベースに改良してリリースされたオープンソースソフトウェアで、長らく定番のメモリテストとして利用されていましたが、2013年の更新を最後に新バージョンがリリースされない状態が続いていました。

 そのMemtest86+に昨年末、2020年12月4日付の最新版「V5.31b」が公開されました。現時点ではベータ版ですが、今後は正式版のリリースに向けて開発中とのことですので、最新環境のサポートなどが期待されます。
memtest86+

 長らく更新が停止していたため、最新環境のサポートは十分でないのが現状ですが、有償版の存在しない完全無料のソフトウェアであるため、無償版MemTest86のようなテスト周回数の制限は存在しません。

 新しいパーツで構築されたPCのテストに使えるようになるのかは今後のアップデート次第ですが、2013年以前のパーツで構築されたPCや、UEFI非対応環境のテストにはこちらを使うのも良いでしょう。

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