最新のINTELマザーボードで大きく変わった点はZ590だけでなく、H570、B560チップセットでもメモリOCが可能なことです。
今まで上位チップセットであるZxxx系マザーボードでないと、定格メモリクロック以上の設定はできませんでした。これによりメモリ選択の幅が大きく拡がるとともに、安価な下位チップセットマザーボードでもパフォーマンス重視のメモリ構成でPCが構築できるようになりました。
また、第11世代CoreプロセッサのメモリコントローラーはGear1、Gear2というモードを持っています。Gear1はメモリコントローラーがメモリと同じクロックで動作し、Gear2はメモリの半分のクロックで動作します。DDR4-3200でGear1で動作するのはCore i9-11900K/KFのみで他の製品はGear2動作になり、Gear1動作が可能なのはDDR4-2933までという発表になっています。
そこで今回は以下の検証を行ってみます。
(1)下位チップセットであるINTEL B560でもハイクロックメモリOKなのか?
(2)Gear1、Gear2モードの設定はどうやればいいのか?
(2)Gear1、Gear2モードの設定はどうやればいいのか?
INTEL B560でもDDR4-3600動作OK
以下のテスト機材を使って検証しました。
【テスト機材】
マザーボード:ASUS TUF GAMING B560M-PLUS(BIOS:0811)
マザーボード:ASUS TUF GAMING B560M-PLUS(BIOS:0811)
CPU:INTEL Core i5 11600K
まずは設定をXMP設定のみで起動させます。
DDR4-3600はXMPで問題なく起動しました。
このメモリはDDR4-3600 CL18-22-22-42 1.35Vとなっています。
Gearモードを確認してみましょう。
CPU-Zの「Memory」タブの「Mem Controller Freq.」の部分を確認します。ほぼ「1800MHz」となっていて「DRAM Frequency」(DDR4-3600の半分の値)と同じです。つまり、メモリコントローラー:DRAMの比率は「1:1」となっていて、AUTO設定ではGear1で起動していることになります。
Prime95による負荷テストをかけてみます。1:1動作に無理があった場合、コア落ちやエラーが発生しますが、5時間以上問題なく動作しました。
DDR4-3600くらいまでは1:1で動作する?
INTELの公表値だと、前述のとおり11600KではDDR4-2933までがGear1となっていますが、実際はDDR4-3600でも動作しました。
では強制的にGearモードを設定してみます。
INTELのアナウンスではGear1、Gear2と呼ばれて言われてましたが、このマザーにはGearという項目はありませんでした。
INTELのアナウンスではGear1、Gear2と呼ばれて言われてましたが、このマザーにはGearという項目はありませんでした。
「Ai Tweaker」の「Memory Controller : DRAM Frequency Ratio」の項目に「1:1」「1:2」の設定があります。デフォルトでは「Auto」となっています。ここでGearモードの設定ができるようです。
この設定を行うと「DRAM Frequency」は一旦リセットされ、初期値に戻ります。そのため、Memory Controller:DRAM Frequency Ratioの項目を変更したあとに、再び「DRAM Frequency」を「DDR4-3600MHz」に設定しなおす必要があります。
もし、「Auto」設定で「1:1」で起動しなかった場合、このBIOS設定で強制的に「1:1」設定が可能となります。通常であればメモリコントローラーの動作クロックが高いほうがパフォーマンスは上がるので、「1:1」で動作させたほうが有利です。ですが、Gear1動作はCPUのアンコア消費電力が増えるとされており、この影響で高負荷時にはパフォーマンスが低くなるというケースもあるようです。
この動作についてはCPUやマザーボードによっても異なることが予想されますので、ハイクロックメモリでGear1動作を使う場合は各自負荷テストを行ってから使用することをお勧めします。