気温が夏日を超える日も増え、いよいよPCの冷却に厳しい季節になってきました。そこで今回は、2021年夏版CPUクーラーの選び方を紹介いたします。
TDPを超えるCPUのブースト動作に要注意
CPUクーラーを選ぶうえで重要なのは、使用するCPUの発熱に対処できる冷却能力を備えた製品を選ぶことで、それを知る手がかりとなるのがCPUのTDP(Thermal Design Power)です。
TDPは定格動作のCPUから生じる発熱量の指標であり、これに見合う冷却能力を備えたCPUクーラーを選択すれば、CPUの性能を発揮することができます。TDP値に対して十分な冷却性能を得るのに必要なクーラーの目安は以下のようなものです。
・TDP ~65W …… 92mmファン搭載空冷CPUクーラー
・TDP 95~125W …… 120mmファン搭載空冷CPUクーラー
・TDP 165~280W …… ハイエンド空冷、240mm水冷クーラー
ただし、TDP値は多くのCPUがサポートしているブースト動作中の発熱量を考慮した数値ではありません。このため、ブースト動作でCPU性能を十分に引き出すことを考慮した場合、上記の目安より強力なCPUクーラーを選ぶべきです。
使いやすい240mmオールインワン水冷クーラーがおすすめ
ブースト動作中でも十分な冷却性能を得たいとお考えの方におすすめなのが、240mmサイズのラジエーターを備えたオールインワン水冷クーラーです。
240mmオールインワン水冷クーラーの多くは、ハイエンド空冷クーラーと同等以上の冷却性能を備えており、ブースト動作中のAMD Ryzen 5000シリーズやIntel Rocket Lake-Sを十分に冷却することができます。
近年では、240mm以上のオールインワン水冷クーラーの搭載を前提に設計されたPCケースが増えてきましたし、多くのオールインワン水冷はメモリやマザーボードとの干渉を起こしにくい作りであるため、大型空冷クーラーよりも使いやすい製品となっています。
空冷クーラーに比べ高価なのが弱点ではありますが、ブースト動作中の発熱が大きくなるTDP 100W以上のCPUを使われるのであれば、240mm以上のオールインワン水冷クーラーの導入を検討されることをおすすめします。