今回は、USBの最新規格である「USB4」の2021年秋における状況について紹介いたします。
USB 3.2の後継規格となる「USB4」とは
USB4は、現在普及している「USB 3.2」の後継となる規格です。Intelから提供されたThunderbolt 3の技術をベースに策定された新規格で、最大20Gbpsの「USB4 Gen 3x1」と、最大40Gbpsの「USB4 Gen 3x2」という速度モードが追加されました。
USB4ではコネクタ形状がUSB Type-Cに統一され、従来のUSB規格との互換性もUSB 3.2 Gen 2x2を除いて確保されており、USB 3.2以前の規格に対応した機器の多くを利用することができます。
USB4で追加された速度モードの利用には、対応機器と対応ケーブルが必要になりますが、外付け機器との通信をさらに高速化する規格として期待されています。
上位互換規格「Thunderbolt 4」対応製品はすでに登場
2021年秋の時点でUSB4に対応したポートを備えるマザーボードやノートPCがリリースされていますが、これらはUSB4規格に完全準拠する上位互換規格「Thunderbolt 4」に対応したUSB Type-Cポートを備えることによって、USB4にも対応しているという形です。
Thunderbolt 4はIntelが策定した規格ですが、USB4規格の通信プロトコルや機能を全てサポートしたうえで、最低要件がUSB4よりも高いものに設定されています。したがって、Thunderbolt 4対応ポートを備えるマザーボードやノートPCは、USB4対応製品であるとも言えるわけです。
肝心のUSB4正式対応デバイスは未登場
上位規格のThunderbolt 4に対応する形で普及がはじまっているUSB4ですが、現在のところUSB4 Gen 3x1やUSB4 Gen 3x2に正式対応したデバイス(USBドライブやSSDなど)は未登場となっています。
一応、Thunderbolt 4は旧規格であるThunderbolt 3との互換性を有しているため、40Gbpsに対応したThunderbolt 3機器などを接続することで、USB4の最大転送速度に匹敵する外付けストレージを利用することはできますが、ネイティブでUSB4に対応した機器の登場は今後に期待するしかありません。
USB4はまだ普及がはじまったばかりの新規格で、その速度を十分に活用できる状況は整っていませんが、Thunderbolt 4に対応したポートを備えたマザーボードやノートPCを選んでおけば、USB4対応機器を最大限の速度で利用できることが期待できます。
いまからPCの新調を検討されるのであれば、USB4時代に到来に備えてThunderbolt 4対応ポートを備えたPCの導入をご検討ください。