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第13世代Coreの「K」なしモデルとは?

 Intel最新のデスクトップ向けCPU「第13世代Core(Raptor Lake)」は、倍率ロックフリーのKモデルから発売されましたが、2023年1月にはKモデル以外の通常版が発売されました。今回はそれら第13世代Coreの通常版について紹介します。

Core i3~Core i9までの製品が追加された第13世代Core通常版

 第13世代Coreの通常版は、エントリー向けのCore i3から最上位のCore i9まで数多くのモデルが用意されています。

 いずれもLGA1700に対応したCPUで、Kモデルとは違ってCPU倍率を変更するオーバークロックに非対応という共通点はありますが、細かい部分で仕様が異なる製品も存在しておりますので、今回はブランド毎に特徴を紹介していきます。

65W版を追加した形の最上位ブランド「Core i9」

 最上時のCore i9ブランドには、Core i9-13900、Core i9-13900Fの2製品が追加されました。いずれもPコア8基とEコア16基を備えた24コア32スレッドCPUで、前者は内蔵GPUにUHD Graphics 770を搭載し、後者は内蔵GPU非搭載です。

 両CPUのハードウェア構成は従来のKモデルを踏襲していますが、電力指標のPBPが65W、MTPも219Wに引き下げられており、これに伴ってCPUクロックも低めに設定されています。
RPL-S_Core i9

最上位同様に65W版を追加した「Core i7」

 Core i7ブランドには、Core i7-13700とCore i7-13700Fの2製品が追加されました。これらはPコア8基とEコア8基を備えた16コア24スレッドCPUで、前者は内蔵GPUにUHD Graphics 770を搭載し、後者は内蔵GPU非搭載です。

 上位のCore i9同様、通常版Core i7もCPUコアやキャッシュの構成はKモデルを踏襲しつつ、PBPを65W、MTPを219Wに引き下げ、それに伴ってCPUクロックも引き下げられています。
RPL-S_Core i7

Kモデルとはキャッシュ構成が異なる通常版「Core i5」

 メインストリーム向けのCore i5には、Core i5-13600、Core i5-13500、Core i5-13400、Core i5-13400Fの4製品が追加されました。いずれもPBPは65Wですが、MTPはCore i5-13400Fのみ148Wで、他の製品は154Wとなっています。

 Core i5-13600とCore i5-13500はPコア6基とEコア8基を備えた14コア20スレッドCPUで、どちらも内蔵GPUにUHD Graphics 770を搭載しています。CPUコアや内蔵GPUの構成は従来のKモデルと同じなのですが、各CPUコアが備えるL2キャッシュ容量が減少しており、Kモデルが合計20MBであったのに対し、Core i5-13600とCore i5-13500は11.5MBです。

 Core i5-13400とCore i5-13400Fについては、Pコア6基とEコア4基を備えた10コア16スレッドCPUとなっており、前者はUHD Graphics 730を搭載しています。こちらもコア当たりのL2キャッシュ容量が減少しており、L2キャッシュは合計で9.5MBです。
RPL-S_Core i5


●Eコア非搭載のエントリー向けCPU「Core i3」

 Kモデルが用意されていなかったエントリークラスのCore i3には、Core i3-13100とCore i3-13100Fが追加されました。いずれもPコア4基を備えた4コア8スレッドCPUで、Eコアは搭載していません。

 Core i3-13100は内蔵GPUのUHD Graphics 730を搭載しており、Core i3-13100Fは内蔵GPU非搭載です。このためか、Core i3-13100はPBPが60Wなのに対し、Core i3-13100FのPBPは58Wに設定されています。なお、MTPについてはどちらも89Wです。
RPL-S_Core i3

Core i5以下のCPUはL2キャッシュ容量に注意

 第13世代Coreに追加された「通常版」CPUのうち、Core i5以下の製品についてはL2キャッシュ容量が同じCPUコア構成のKモデルより少なくなっています。

 具体的には、Kモデルとして発売された第13世代Coreには、Pコア1基あたり2MB、Eコア4基あたり4MBのL2キャッシュが搭載されていますが、Core i5以下の通常版ではL2キャッシュ容量が、Pコア1基あたり1.25MB、Eコア4基あたり2MBに減少しています。これは、前世代であるAlder Lakeと同等の構成です。

 キャッシュ容量の大きさがパフォーマンスに反映されない処理も少なくありませんが、高フレームレートでのゲーミングなどでは大きな効果を発揮する場合もあります。ミドルレンジ以上のGPUを使用したゲーミングPCの構築をお考えの方は、Core i5以下の通常版とKモデルキャッシュ容量の違いにご注意ください。

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