自作PCの知識

12V-2x6の普及がはじまった最新ビデオカードの電源事情

 2025年はNVIDIAとAMDの新世代GPUが市場に投入されており、これらを搭載するビデオカードには最新規格の電源コネクタ「12V-2x6」が採用されるようになりました。

 今回は12V-2x6のほか、最新鋭ビデオカードに使える電源ケーブルについて紹介します。

最新GPU向けの電源コネクタ「12V-2x6」

 ビデオカード向けの電源コネクタとしてはPCIe 6ピンやPCIe 8ピンが長らく利用されてきましたが、GPUの消費電力増加に対応すべくPCIe 5.0時代の電源コネクタ規格として新たに導入されたのが16ピンコネクタの「12V-2x6」です。

 12ピンの電源供給用コネクタと4本のセンスピンで構成された12V-2x6では、供給可能な電力が600W、450W、300W、150W、0Wの5種類に設定されており、センスピンの信号によってケーブルが供給可能な最大電力を伝達する仕組みとなっています。

ASRock Taichi 1300wASRockページでは、コネクタをしっかり挿し込む注意が掲載されている

 なお、12V-2x6はGeForce RTX 40 シリーズ発売当初に導入された「12VHPWR」の改良版で、電源ケーブル側のコネクタ形状はそのままに、不完全な接続によるリスクを低減する目的でビデオカード側のピン形状変更と0Wモードの追加されました。電源ケーブル側のコネクタについては特に変更されていないため、供給電力が足りていれば12VHPWR電源ケーブルは12V-2x6対応ビデオカードで使用できます。

12V-2x6の無い電源でも最新鋭ビデオカードは使用可能

 最新のGPUであるNVIDIA GeForce RTX 50 シリーズとAMD Radeon RX 9070 シリーズでは、消費電力の大きい上位モデルで12V-2x6の採用が進んでいます。

 2025年現在、これらのビデオカードには原則として「PCIe 8ピンから12V-2x6に変換するアダプタ」が同梱されているため、12V-2x6電源ケーブルの無い従来の電源ユニットでも最新のビデオカードを動作させることは可能です。

 ビデオカードに付属するPCIe 8ピン to 12V-2x6変換アダプタの仕様はカードの消費電力に応じて異なっており、利用するためには2~4個のPCIe 8ピンコネクタが必要になります。電源ユニットに十分な数のPCIe 8ピンが無いようであれば、電源ユニットの買い替えを検討しても良いでしょう。

MSI GeForce RTX™ 5090 32G SUPRIM SOCのPCIe 8ピン to 12V-2x6変換アダプタ

 なお、12V-2x6電源ケーブルを標準で備える電源ユニットに関しても、ビデオカードが要求する電力に対応できるケーブルを備えているのかに注意が必要です。

 前述の通り、12V-2x6電源ケーブルには600W、450W、300W、150Wの仕様が定められており、ビデオカードの要求電力より低い供給能力のケーブルを使用すると性能を発揮できない場合や動作しない場合があります。

 ビデオカード付属の変換アダプタを使うにせよ、新たに12V-2x6対応電源ユニットを買うにせよ、十分な電力供給が可能な組み合わせになるよう、ビデオカードと電源ユニットの仕様を確認することが重要です。

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