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第13世代/14世代Core不安定性問題の根本原因と対処方法

 Intelの第13世代/14世代Coreプロセッサの動作が不安定になる不具合について、Intelは根本原因を「マイクロコードの不具合による異常な電圧上昇」と特定し、これに対処するマイクロコードアップデートと当該CPUの製品保証延長を発表しました。

 今回は一連の不安定性問題へのIntelの対応とユーザー側での対処方法について紹介します。

不安定性問題の実態と対策

 Intelは「13世代/14世代Coreの不安定性問題」が生じるCPUにおいて「CPUコアの最小動作電圧(Vmin)が大幅に上昇」していることを確認し、それがCPUコア内のクロックツリー回路が高電圧・高温によって劣化することで生じていることを特定しました。

 劣化を生じさせていた根本的な原因を「マイクロコードアルゴリズムの不具合による誤った電圧要求で生じた高電圧」であるとして、この不具合を解消したマイクロコード「0x129」をリリースしたIntelですが、その後アイドル時や低稼働時に高電圧が生じるリスクに対応したマイクロコード「0x12B」をリリースすることを発表し、マザーボードメーカーのBIOSアップデートでマイクロコードを導入できるよう対応をすすめています。

 現在までにIntelが不安定性問題の生じるCPUとして確認しているのは、デスクトップ向け13世代/14世代Coreの24製品で、これらには「2年間の延長保証」が提供されました。該当するCPUは以下の通りで、標準の3年間保証に2年を加えた「購入後5年間の製品保証」が提供されます。なお、Intelは延長保証の保証規定は通常保証と同等であるとしています。

自作PCユーザーはBIOSアップデートで対応を

 不安定性問題の対象CPU(延長保証対象CPU)をお使いの自作PCユーザーは、マザーボードのBIOSをマイクロコード「0x12B」対応版にアップデートすることで、不安定性問題の根本原因への対策が可能です。

 また、マイクロコード「0x12B」に対応したBIOSには、不安定性問題に対する一連の不具合対策(具体的には、標準設定を適正化するIntel Default Settings、Core i9のeTVBバグを修正するマイクロコード更新、0x129での異常電圧対策)が含まれているため、当該BIOSにアップデートすることで不安定性問題への対処は一括で完了します。

 BIOSのアップデート作業自体は自己責任で行う必要があるため、事前にアップデート方法を確認したうえで、作業中に不測の事態が生じにくい環境(ブレーカーが落ちるリスクのある大消費電力機器の使用中や、雷雨等の荒天で停電リスクの高い状況を避けるなど)で実行しましょう。

 なお、原則としてBIOSは古いバージョンから最新版へ一気に更新できます。特定のバージョンを経由する必要がある場合はマザーボードメーカーがその旨を記述しているので、そうでない限りは古いバージョンから最新版までの間に他のバージョンが公開されている場合であっても、それらをスキップして最新版に直接更新してください。

 自作PCではなく、当該CPUを搭載したメーカー製PCやBTO PCをお使いの場合は、対処方法をPCメーカーのサポートに問い合わせてください。特に汎用パーツを使用しているBTO PCの場合、マザーボードが特定できればBIOSの更新が可能なこともありますが、ユーザーがBIOSを更新するとBTO PCメーカーの保証が無効になる場合もありますので、自己判断で対処する前にサポートの指示を仰ぎましょう。

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