LGA2011-v3プラットフォームで動作クロックの高いDDR4メモリを搭載すれば、クアッドチャンネル動作によって確保している広いメモリ帯域を更に強化して、パフォーマンスの向上を図ることができます。
ただし、DDR4のハイクロックメモリを利用する場合、設定プロファイルを読み込むだけでは狙い通りの動作が得られないことがあります。今回は、DDR4-2666以上のメモリを設定する際に注意すべきポイントについて、紹介したいと思います。
X.M.Pで設定するとベースクロックが上がる?
DDR4-2133を超える動作クロックのメモリモジュール、いわゆるオーバークロックメモリの多くは、標準的なメモリプロファイルであるSPDに加え、IntelのX.M.P(eXtreme Memory Profile)をサポートしており、X.M.Pをサポートするマザーボードと組み合わせれば、プロファイルを読み込むだけでメモリの設定が完了します。
ところが、DDR4-2666以上のハイクロックメモリの場合、このX.M.Pを読み込んだ際、メモリクロックだけでなくベースクロック(BCLK)が引き上げる設定が行われる場合があります。
ベースクロックを引き上げないとメモリをスペック通りのクロックに設定できない場合や、ベースクロックを上げた方が安定しやすい場合など、理由は使用するメモリとマザーボードによって様々なようですが、ここで問題になるのは、ベースクロックを引き上げが、CPUのコアやキャッシュなどの動作クロックにも影響を及ぼす点です。
多くのマザーボードはBCLKを上げた分、CPUの動作倍率を引き下げて、CPUクロックが定格動作クロックを大きく超えることの無いよう、自動的にチューニングを行いますが、そのさじ加減はマザーボードとそのUEFI(BIOS)次第となっています。必要に応じて、適宜CPUの動作倍率を引き下げる必要も出てくるでしょう。
ASUS X99-Aでは、CPU倍率が30倍(=3750MHz)、キャッシュ倍率が24倍(=3,000MHz)に設定されています。
CPUはIntel Core i7-5930K(定格3.5GHz、Turbo Boost最大3.7GHz)なので、OC状態ということになります。
DDR4-2666以上のメモリを設定する際は、ベースクロックが引き上げられていないか。引き上げられている場合は、ベースクロックに対して、CPUのコアクロックやキャッシュクロックが適切に引き下げられているか。この2点について設定を確認し、パフォーマンスと安定性を両立させて、DDR4メモリを使いこなしましょう。
■DDR4メモリ製品ページ
http://www.ocworks.com/products/list.php?category_id=347
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