現在のCPUは、1つのパッケージに複数のCPUコアを備えたマルチコアCPUが基本となっています。
自作PC向けに供給されているマルチコアCPUは、同じ機能を備えたCPUコアを複数搭載する方式をとっており、コア数が増えれば、その分CPUの同時処理性能が向上します。
また、Intel製のCPUには、Hyper-Threading Technology(HTT)と呼ばれるマルチスレッディング技術に対応している製品がラインナップされています。
Hyper-Threading Technologyでは、1基のCPUコアを複数の処理を実行する技術で、この技術に対応したIntel製CPUは、OS上で1基のCPUコアが2基のCPUコアとして認識されます。つまり、Hyper-Threadingに対応した2コアCPUは、OS上では4コアCPUとして認識されます。このようなCPUは、2コア4スレッドCPUと呼ばれることがあります。
OS上では2倍のコア数を持ったCPUとして認識されるHyper-Threading Technology対応CPUですが、実際には1基のCPUコアを効率的に活用することで2スレッド処理を実現しているだけであり、CPUコア内の演算ユニットなどが増えた訳ではありません。
このため、コア数が倍になった時ほどの性能向上は望めず、OS上では同じ4コアCPUとして認識される「4コア4スレッドCPU」と「2コア4スレッドCPU」でも、コア数以外の仕様に差が無ければ前者の方が高いマルチスレッド性能(同時処理性能)が期待できます。
以下は、現在のIntel製デスクトップ向けCPUのブランドと、CPUコア数の一覧です。
LGA1151対応CPU(第6世代Core プロセッサ/Skylake)
Intel Celeron……2コア2スレッド
Intel Pentium……2コア2スレッド
Intel Core i3……2コア4スレッド(2コア+Hyper-Threading)
Intel Core i5……4コア4スレッド
Intel Core i7……4コア8スレッド(4コア+Hyper-Threading)
LGA2011-v3(ハイエンド向け第4世代Core プロセッサ/Haswell-E)
Intel Core i7-5820K/5930K……6コア12スレッド(6コア+Hyper-Threading)
Intel Core i7-5960X Extreme Edition……8コア16スレッド(8コア+Hyper-Threading)
上位ブランドになるほどCPUコア数が増加していることがわかります。つまり、上位ブランドの製品を選ぶことで、より高いマルチスレッド性能を持ったCPUを選ぶことができると言えます。
CPUのマルチスレッド性能は、動画の編集や変換作業、CGレンダリングなど、マルチコアCPUへの最適化が進んでいる分野で高いパフォーマンスを発揮します。このような用途での性能を求められる場合、CPUコア数とHyper-Threading Technology対応の有無を重視してCPUを選ぶことをお勧めします。