AMDの新CPUであるRyzenが注目を集めた2017年3月ですが、NVIDIAからは、新GPUである「GeForce GTX 1080 Ti」が登場しました。新GPUが登場したこの機会に、現在のNVIDIA製GPUのラインナップを再確認してみたいと思います。
Pascalアーキテクチャと16nm FinFETプロセスのGeForce GTX 10 シリーズ
2017年3月現在、NVIDIAはコンシューマ向けGPUとして「GeForce GTX 10 シリーズ」を展開しています。これは、Pascalアーキテクチャに基づいて、16nm FinFETプロセスで製造されたGPU製品群で、現在は回路規模の違いにより、GP102、GP104、GP106、GP107という、4種類のGPUコアをベースに、製品が展開されています。
GP102コアは、ウルトラハイエンド向けのGPUコアで、ラインナップ上の最上位モデルであるTITAN Xと、ゲーム性能ではTITAN Xを凌ぐとされるGeForce GTX 1080 Tiが製品化されています。GPUコアの性能はもちろん、VRAMの容量と速度も圧倒的であり、4KやVRで最高のパフォーマンスを得たい人向けのGPUとなっています。
GeForce GTX 1080/1070が採用するGP104コアは、ハイエンド向けGPUコアです。優れた性能はもちろんのこと、消費電力が低めである点にも注目です。カードベンダー各社から、オリジナルデザインのグラフィックカードも数多く発売されており、自分のパーツ構成に合わせた見た目や特徴のグラフィックカードが選択できます。
GP106コアはミドルレンジ向けのGPUコアです。GeForce GTX 1060 シリーズに採用されており、PCでゲームを本格的に楽しみたい方には、このGPUコア以上の製品を選ばれることをお勧めいたします。
エントリー向けGPUコアであるGP107は、GeForce GTX 1050 Ti/1050に採用されています。 League of Legends(LoL)のように軽量なMoBAゲームなどを動作させることはできますが、マルチプラットフォームで展開されるAAA級ゲームをプレイするには力不足です。消費電力が特に低いため、画面出力機能や動画再生支援機能に期待して選択すると良いでしょう。
ゲーマーならGP106以上、画質にこだわるならGP104以上
下から上まで充実したラインナップだったNVIDIAのGeForce GTX 10 シリーズですが、20万円近い価格のTITAN Xよりぐっと安いGeForce GTX 1080 Tiが登場したことで、ウルトラハイエンドクラスのGPUがより手の届きやすい位置に降りてきました。
基本的に、ゲームでの性能を期待するのであれば、GP106コアのGeForce GTX 1060 シリーズ以上を選ぶのがおすすめです。2,560×1,440ドット前後の画面解像度や、最高クラスの画質でゲームを楽しみたいのであれば、ハイエンド向けのGP104をベースにしたGPUを選びたいところです。