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165/180W級CPUと組み合わせる電源ユニット選びのポイント

 今回は、今年登場した165Wや180W級の高発熱&高消費電力CPUと組み合わせる電源ユニットを選ぶ際、注目したいポイントについてご紹介いたします。
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●2系統以上のCPU給電コネクタを持つ電源を選びましょう
 165WのCore i9上位モデルや180WのRyzen Threadripperなど、TDPの高いCPUはピーク時の消費電力も大きなものとなっています。

 ハイエンドCPUの大きな消費電力に対応するため、マザーボードメーカーはCPU給電用のコネクタを複数設けることで、より安全に大きな電力をCPUに届けられるように設計しています。

 このマザーボードの設計を活かすためには、ハイエンドCPUと組み合わせる電源ユニットには、十分な「容量」が必要であることはもちろん、CPU給電用のコネクタ(EPS12V)を2系統以上備えた電源ユニットを選ぶ必要があります。
●複数系統のCPU給電コネクタを使用する意味とは?
 ところで、複数系統のCPU給電コネクタを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 CPU給電用コネクタを増やすことによって得られえるメリットは、電流の供給経路を分散することにより、1本のケーブルに流れる電流の量を減らすことができるというものです。

 もともと、EPS12Vでは12Vの電圧を供給する経路を4系統に分割しています。この時、CPU側で240Wの電力を消費した場合、12Vライン全体には20A(120W÷12V)という巨大な電流が流れることになりますが、EPS12Vは4系統のケーブルを備えているのでケーブル1本に流れる電流は5Aとなります。

 このようにEPS12Vでは、複数系統を利用することでケーブル1本に流れる電流の量を減らし、PCの配線に適した太さのケーブルで電力供給を可能としています。そこにさらにEPS12Vをもう一系統追加すれば、CPU給電用の12Vラインは合計8系統に増えることになりますので、先の消費電力240Wの例ならば、1本のケーブルに流れる電流を2.5Aと半減させることができるわけです。

 ケーブルに流れる電流が増えるとケーブル自体の発熱が増大し、ケーブルの許容値を超える電流を流せば発火にもつながります。それは、ケーブルを接続した先であるマザーボード上の配線についても同様です。こうした問題を避けるため、電力供給経路を多系統化して負荷を減らすことで安全な電力供給を行う仕組みが「CPU給電用コネクタの複数化」なのです。

 複数のCPU給電用コネクタを備えていても、1系統のEPS12Vのみで動作するマザーボードもありますが、オーバークロックなども考えるのであれば、極力すべてのCPU給電用コネクタを利用するべきでしょう。

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