PC上で実行される大半の処理を実行しているCPUをアップグレードすれば、PCのパフォーマンスを大きく改善できる可能性があります。今回は、CPUのアップグレードを行う際に注意したいポイントをご紹介します。
●まずはマザーボードの対応CPUリストをチェック
CPUのアップグレードを行う場合にまず確認しなければならないのは、現在使用しているマザーボードの対応CPUリストです。
自作PC向けマザーボードを製造しているメーカーは、製品ページやサポートページでマザーボードの対応CPUリストを公開しており、対応CPUリストには利用可能なCPUの型番と、そのCPUへの対応が完了したUEFI(BIOS)のバージョンが記載されています。
現在使用しているマザーボードを継続して利用するなら、アップグレード可能なCPUはこの対応CPUリストに掲載されているものの中から選ぶことになります。また、リストに掲載されているCPUであっても、UEFIのバージョンがリスト記載のものより古いとCPUを認識しないため、交換を行う前にリストに記載されているバージョン以上にアップデートしておく必要があります。
●利用中のCPUクーラーや電源ユニットをチェック
マザーボードの対応CPUリストの条件を満たすことで、交換したCPUを搭載して起動させる準備は整います。しかし、安定して動作させるためには、CPUクーラーや電源ユニットの使用もチェックしておくべきでしょう。
CPUクーラーについては、CPUに付属しているクーラーを利用すれば必要最低限の冷却は確保できますが、IntelのKモデルやRyzenの上位モデル、ハイエンドCPUなどには純正CPUクーラーが付属していない場合があります。また、アップグレード先となる上位CPUは現在のCPUより発熱が大きい場合が多く、十分な冷却には相応のCPUクーラーが必要です。
電源ユニットについてもクーラーと同じ理由で、アップグレード先のCPUは消費電力が大きい場合が多いので、現在使用している電源ユニットの出力容量が少ないようであれば、交換が必要になる可能性もあります。
●対応CPUリストでアップグレード先を探してみましょう
現在のCPUは製品ラインナップが豊富であり、またマザーボードの多くは世代の異なるCPUをサポートしていることもあるので、CPUのみを交換してPCのパフォーマンス強化が狙えるPCは少なくありません。
CPUクーラーや電源ユニットに注意が必要なのは確かですが、現在のPCをよほど余裕のない構成で組み立てていない限り電源ユニットまで交換することにはならないでしょう。まずはマザーボードの対応CPUリストをチェックして、目ぼしいアップグレード先が無いか検討してみると良いでしょう。