パーツの選び方 自作PCの知識

2018年末のマザーボード選び~Intelチップセット編

 Intel製CPU向けマザーボードの選び方として、マザーボードに搭載されたチップセット毎の特徴をご紹介します。

マルチGPUとオーバークロックに対応する「Z390/Z370」

 Z390とZ370は、Intelメインストリームプラットフォーム「LGA1151」に対応しており、第8世代Coreプロセッサと第9世代Coreプロセッサが利用できます。

 Z390とZ370は、LGA1151対応CPUに内蔵された16レーンのPCI Express 3.0を分割する機能を備えており、「x8 + x8」または「x8 + x4 + x4」に分割することで「NVIDIA SLI」や「AMD CrossFire」が利用できます。また、CPUとメモリのオーバークロックにも対応しています。

 なお、Z390はZ370よりも後に開発されたチップセットで、新たにUSB 3.1 Gen 2(10Gbps)をチップセット機能に統合しています。

 マルチGPUとオーバークロックをサポートするZ390とZ370は、ゲーマーやクリエイターなど、ハイパフォーマンスなPCを構築したいユーザーに適したチップセットです。
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エントリーユーザーにもおすすめの「H370/B360」

 H370とB360は、先に紹介したZ390/Z370と同じく「LGA1151」に対応したチップセットです。組み合わせ可能なCPUも同じで、第8世代Coreプロセッサと第9世代Coreプロセッサが利用できます。

 チップセットのグレードではH370の方が上位で、SATA RAID機能やチップセットが提供できるPCI Express 3.0 レーン数などでB360を上回っていますが、CPU内蔵PCI Expressレーンの分割やオーバークロックに非対応なのは共通しています。

 一通りの機能は備えつつZ390やZ370より安価なH370とB360は、オーバークロックをしない方で、シングルGPU仕様のPCを構築されたい方や、初めて自作PCに挑戦される方に適したチップセットです。

玄人向けのローエンドチップセット「H310」

 H310もLGA1151と第8/9世代Coreプロセッサーをサポートするチップセットであり、これまで紹介したチップセットのどれよりもコストを重視したローエンドモデルです。

 安いという点では他のチップセットより優位なH310ですが、CPUとチップセット間の接続バスであるDMIが低速で、チップセットが提供するPCI ExpressバスもGen 2準拠の低速なものとなっており、高速なNVMe SSDなどを十分なスピードで利用できません。

 H310を搭載するマザーボードもコスト重視の設計を採用したものが多く安価ではありますが、仕様をよく理解して選ばなければ、組み合わせたパーツが十分な性能を発揮できない場合もあるため、各仕様に精通した玄人ユーザー向けの低コストチップセットであると言えます。

ハイエンドプラットフォームLGA2066向けの「X299」

 X299は、Intelのハイエンドプラットフォーム「LGA2066」向けのチップセットで、同プラットフォームの一般消費者向けとしては唯一の選択肢です。

 4~18コアまでのCPUが存在するCore Xシリーズを利用可能で、これらを搭載した場合はCPUやメモリのオーバークロックを行うことができます。また、上位CPUはクアッドチャネルメモリに対応する他、最大44レーンのPCI Express 3.0レーンを備えており、3枚以上のビデオカードや高速SSDが活用できます。

 CPUパワーや大容量メモリを必要とする3DCGや動画などの制作や、マルチGPUや高速SSDを活用したハイエンドPCを構築したいエンスージアスト向けのチップセットです。

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