パーツの選び方 自作PCの知識

【2018年末版】マザーボードの選び方「ハイエンド編」

 2018年末版マザーボードの選び方。今回はハイエンド製品の選び方についてご紹介いたします。

各プラットフォームの最上位チップセットで展開されるハイエンドマザーボード

 ハイエンドクラスのマザーボードは、基本的に各プラットフォーム(≒CPUソケット)向けに供給されているチップセットの最上位モデルを採用しています。

 例えば、IntelのLGA1151であればIntel Z390、AMDのSocket AM4ならAMD X470を採用しています。これは、ハイエンドマザーボードがコストよりも機能や性能、品質を重視して設計されているためです。
 ▼各プラットフォームの最上位チップセット(利用可能CPU)
 ・LGA1151 Intel Z390 チップセット (第9世代Core、第8世代Core)
 ・LGA2066 Intel X299 チップセット (Core X シリーズ)
 ・Socket AM4 AMD X470 チップセット (Ryzen シリーズ)
 ・Socket TR4 AMD X399 チップセット (Ryzen Threadripper)

1フェーズあたりの電力供給能力が高いハイエンドマザーボードの電源回路

 ハイエンドマザーボードの多くは、CPUのオーバークロックを意識して設計されており、CPU給電用のEPS12V/ATX12Vコネクタを複数系統備えていたり、電源回路を冷却するためのヒートシンクが大型であったり、水冷可能なハイブリッドヒートシンクを搭載したモデルもあります。

 電源回路の構成も豪華なものが多く、高価で高効率なパーツを使用するハイエンドマザーボードの電源回路は、下位グレードのものより1フェーズあたりの電源供給能力が高いものとなっています。ハイエンドマザーボードの中でもフェーズ数も多いものは、ピーク時の消費電力が数百ワットに達するメニーコアCPUのオーバークロックに耐えられるものとなっています。

 特にCore XシリーズやRyzen Threadripperのオーバークロックをお考えの方には、電源フェーズ数の多いハイエンドマザーボードがおすすめです。

多数のUSB 3.1 Gen2ポートや10GbE LAN搭載製品もあるハイエンドマザーボード

 ハイエンドマザーボードには追加チップを実装することで、下位グレードのマザーボードでは数の少ないUSB 3.1 Gen 2ポートを複数搭載したり、10GbE LANやThunderbolt 3といった最新のインターフェイスを備えている場合があります。

 これらのインターフェイスは別売りの拡張カードを用意することで増設可能なものですが、追加するには拡張スロットの空きとそれなりのコストが必要です。複数のUSB 3.1 Gen2機器や10GbE LANなどを使う予定があるのなら、必要な数を標準で搭載しているハイエンドマザーボードを探してみると良いでしょう。

Fatal1ty X399 Professional Gaming(L2)
▲2つのUSB3.1 Gen2ポート、10GbE LANを搭載するASRock Fatal1ty X399 Professional Gaming

高度なイルミネーション機能や凝ったデザインもハイエンドマザーボードの魅力

 ハイエンドマザーボードでは、基板表面の保護と装飾を兼ねたIOカバーや、RGB LEDイルミネーション機能など、見栄えの面にも凝った製品が登場しています。

 これらはPCの性能自体を高める効果はありませんが、近年流行しているガラスパネル採用PCケースなどと組み合わせることで美しいPCを構築することができます。PCの見た目にこだわりを凝縮した「魅せるPC」を構築したい方は、ルックスやイルミネーション機能の好みを基準にハイエンドマザーボードを選んでみても良いでしょう。

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