パーツの選び方 自作PCの知識

【2018年末版】電源ユニットの選び方

本日は「2018年末版・電源ユニットの選びの方」として、最新のPCを構築する際に押さえておきたい電源ユニットの仕様についてご紹介いたします。

CPU用給電コネクタは2系統がトレンド、メニーコアCPUやOCでは特に重要

 電源ユニットを選ぶ際に最も重要な要素の一つが「コネクタ数とケーブル構成」です。電源ユニットはPCに搭載する全てのパーツに対して電力を供給する必要があるので、搭載するパーツの動作に必要なコネクタが足りていることと、各パーツへの配線が可能なケーブルを備えていることを確認しましょう。

 ⇒ 電源ユニットの選び方 ~ 数だけで判断すると失敗しがちな電源コネクタ

 さて、2018年はIntelからも8コアCPUがメインストリームに投入され、AMDは最大32コアの第2世代Ryzen Threadripperを投入しました。

 これらのCPUの登場がCPUのピーク消費電力を引き上げたため、電線一本あたりに流れる電流量を減らす目的で、CPU給電用のコネクタであるEPS12VやATX12Vを2系統搭載するマザーボードが増えつつあります。

 2系統のコネクタを備えているマザーボードであっても、ほとんどの製品は1系統だけ接続すれば動作はしますが、8コア以上のCPUをOCする場合や、Ryzen ThreadripperのWXシリーズを利用する場合は消費電力が非常に大きくなるため、2系統での接続が推奨されます。
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▲8ピン(4+4ピン)12Vのコネクタ。これが2つある電源がベター(写真はCorsair製品より)

 IntelとAMDの性能競争激化により、今後もCPUの消費電力は高い水準で推移すると思われます。
いま電源ユニットを選ぶのであれば、なるべくEPS12V/ATX12Vの8ピン(4+4ピン)を2系統備えた電源を選んでおくのがおすすめです。

容量の目安

 「コネクタ数とケーブル構成」と並んで重要なスペックが「容量」です。電源の容量とは出力可能な電力のワット数で、これはPCパーツが消費する電力よりも必ず大きい数値でなければなりません。

 また、特に大きく表記されている「容量」は電源ユニットの総容量ですが、電源ユニットの出力電圧毎の供給可能電力も、パーツの消費電力を下回らないように選ぶ必要があります。

 ⇒ 電源ユニットの選び方 ~電源ユニットの「出力(ワット数)」について
 ⇒ 電源ユニットの選び方 ~ 電源ユニットの出力表の読み方

 ただ、ここで問題となるのは肝心のPCパーツの消費電力が不明な点です。どの程度の電源容量が必要なのかは、各メディアが公開しているパーツレビュー記事などに掲載されている数値を参考にしながら推測する必要があります。

 現在のおおよその目安としては、メインストリーム(LGA1151/Socket AM4)のCPUを使ったシングルGPU構成のシンプルなPCなら、おおよそ600W程度の容量があれば十分です。同様にハイエンド(LGA2066/Socket TR4)のCPUを使うなら850W程度が目安になります。

 ただし、上記の目安はCPUをオーバークロックしないことが前提です。ハイエンドの中でもRyzen Threadripper WXシリーズなどはOCによって消費電力が劇的に増加するため、ハイエンド環境でOC動作を狙うなら1000W以上の電源ユニットを選びたいところです。

変換効率

 電源ユニットが交流電圧をPCパーツ向けの直流電圧に変換する際の効率が「変換効率」です。高効率であるほど無駄な電力消費が少なくなり、変換ロスで生じる熱も少なくなります。

 電源ユニットの変換効率には、6段階のグレードで変換効率を評価する「80PLUS」という規格が存在しており、多くの電源ユニットがこの規格の認証を取得して変換効率をアピールしています。

 ⇒ 電源ユニットの選び方 ~ 80PLUSとは?

 PCの消費電力が大きいほど、変換ロスによって消費される電力も大きくなるため、長時間に渡って大きな電力を消費するゲーム、動画・CGレンダリングで使うPCには効率の高い電源ユニットがおすすめです。

 ただし、高効率な電源ユニットは高価です。予算的に厳しいようであればコストパフォーマンスの高い80PLUS GOLD認証電源を検討すると良いでしょう。

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