今回は、AMD製CPUが備えているブースト機能である「Precision Boost 2」と「XFR 2」についてご紹介します。
第2世代Ryzenで採用された最新ブースト機能
AMD製CPUが備えているPrecision Boost 2とXFR 2は、動作クロックを自動的に定格クロックよりも高いクロックで動作させるブースト機能です。先日ご紹介したIntel製CPUのTurbo Boostに近い機能であると言えます。
どちらも第二世代Ryzenから採用された機能で、初代Ryzenに採用されていたPrecision Boost 2とXFRや、それ以前のCPUに採用されていたTurbo COREの機能を強化・拡張しています。
基本的なブースト機能の「Precision Boost 2」
Precision Boost 2は、稼働しているCPUコアの状況に応じてCPU倍率を引き上げるブースト機能です。
初代Ryzenに搭載されていたPrecision BoostやTurbo COREでは2段階しか設定されていなかったブースト時のCPU倍率が、負荷状況に応じてダイナミックに変化するようになっており、CPUの性能をより引き出せるブースト機能に進化しています。
冷却を強化すると性能が上がる拡張ブースト機能「XFR 2」
XFR 2は、CPUの稼働状況に応じてPrecision Boost 2で設定されているCPU倍率よりさらに数段階高いCPU倍率を適用するブースト機能です。
XFR 2は初代Ryzenで採用されていたXFRの強化版で、CPU温度が十分に低く高クロック動作が可能と判断できる状況でCPU倍率を数段階(0.25倍刻み)引き上げます。
IntelのTurbo Boost 2やGPUのブースト機能では、多くの場合リミッター温度に達するまで温度がブースト機能に影響することはありませんが、XFR 2は冷却性能の高いCPUクーラーを利用することでCPUの性能が向上する可能性のある、ユニークなブースト機能です。