今回はSSDを選ぶ際のポイントとなる、SATA SSDとNVMe SSDの違いと、適している用途についてのご紹介します。
2019年現在、自作PC市場向けのSSDには、PCIeをインターフェイスに用いるNVMe SSDと、SATAを用いるSATA SSDが普及しています。インターフェイスが異なるため互換性の無いNVMe SSDとSATA SSDですが、まずはどういった特徴があるのかを確認してみましょう。
容量単価の安いSATA SSD
SATA SSDは、Serial ATA(SATA)をインターフェイスに用いているSSDで、ノートPC向けHDDと互換性のある2.5インチ型や、M.2スロットに挿し込んで使えるカードタイプのSSDが販売されています。
現在販売されているSATA SSDは、最大600MB/sの転送帯域を実現するSATA 6Gbpsを採用しており、安価な製品でもリード性能で500MB/sを超える速度を実現している製品も珍しくありません。
SATA SSDの特徴は容量単価の安さにあります。SATA SSDはNVMe SSDに比べ容量単価が大幅に安いものが多く、同じ容量のNVMe SSDに比べ半分の価格で購入できる場合もあります。
高性能なNVMe SSD
NVMe SSDはPCIeをインターフェイスに用いるSSDであり、PC本体とSSD間の通信プロトコルにNVM Express(NVMe)を用いていることからNVMe SSDと呼称されています。自作PC向けにはM.2カード型が普及しており、他にはPCIeカード型や、U.2ケーブルを用いる2.5インチ型も登場しています。
現在のNVMe SSDは最大4GB/sの転送帯域を持つPCIe 3.0 x4対応の製品が数多く登場しており、高性能な製品は3GB/sを超えるリード性能を実現しているものもあります。これはSATA 6GbpsタイプのSSDの6倍近い速度です。
性能重視で設計されていることの多いNVMe SSDはパフォーマンスを求めるユーザーには魅力的ですが、SATA SSDに比べ容量単価が高価です。また、PCIe 3.0 x4を潤沢に提供できるCPUやマザーボードは限られているため、1台のPC搭載できる台数がSATA SSDより少なくなりがちです。
システムディスクに使いたいNVMe SSD。ゲームやデータ保管にはSATA SSDがおすすめ
高性能ながらも高価で搭載できる数も限られるNVMe SSDは、ストレージ性能がPC全体のレスポンスに影響しやすいOS用のシステムディスクや、高速なリード性能を動画編集用の素材ファイル置き場として活用するなど、特に性能を必要とする場面での利用がおすすめです。
一方、容量単価の安いSATA SSDは、最大速度こそNVMe SSDに劣るものの容量単価の安さゆえに大容量ファイルの保管に適しています。現代のPC用途では、膨大なインストール領域を必要とするゲームのインストール用や、データの保管庫としての利用が好適でしょう。