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発売されたAMDの第3世代Ryzenのスペックをおさらい

 7日に発売されたAMDの第3世代Ryzenは、Intelの競合製品を大きくリードする驚異的なパフォーマンスをを持ったCPUとして登場しました。今回はそのスペックとラインナップを振り返りつつ、選ぶポイントをチェックしてみましょう。

●第3世代Ryzenのスペックと強化ポイントを確認
 7月7日に発売予定だった第3世代Ryzenのうち、7月12日に延期されたRyzen 7 3800Xを除いて無事発売となりました。まずは第3世代Ryzenのスペックを改めて確認してみましょう。
ZEN2ラインナップ-2
 第3世代Ryzenでは、動画処理などで活用されることの多いAVX2命令の実行効率が劇的に向上しています。これはAVX2命令を十分に機能させられるだけの演算ユニットを搭載したためで、これによりAVX2命令が効果を発揮するH.265形式へのエンコードなどでIntel CPUと同等以上の性能を発揮できるようになりました。

 また、第3世代Ryzenはキャッシュのレイテンシ削減と帯域幅の拡大を実現し、メモリへのアクセス速度も向上しています。第3世代Ryzenが採用した、CPUコアとIO機能を別のシリコンダイに分離して実装するチップレットアーキテクチャについてレイテンシの増大が懸念されていましたが、実際には従来のRyzenよりもレイテンシは減少しており、この懸念は杞憂だったようです。

 これまではIntel製CPUに劣っていた電力効率やコア当たりの処理性能なども、Zen2アーキテクチャと7nmプロセスの採用によって大きく改善しました。こうした改善により、Zen2を採用した第3世代Ryzenは、Intelの競合CPUを多くの場面でリードする性能を実現したようです。

●第3世代Ryzen選びのポイント
 第3世代Ryzenを選びのポイントは価格とコア数にあります。もっとも高性能なのは当然12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xで、Core i9-9900Kに近いの6万円中盤という価格で実現している性能は驚異的です。予算が許すのであればこのCPUを選んでおけば間違いはないでしょう。

 ただ、メインストリームのCPUとして6万円はそれなりに高価です。主に使う用途がゲームなどに限られるのであれば、6コアのRyzen 5 3600XやRyzen 5 3600も魅力的な製品です。特に、2.6万円ほどで購入できるRyzen 5 3600はコストパフォーマンスが高いモデルとなっています。

 動画や画像の編集からゲームまで幅広い用途で使われる方にとっては、Ryzen 7 3700Xの汎用性の高いパフォーマンスは魅力的です。同CPUはクリエイター用途からゲームまで、多くの場面でCore i9-9900Kに匹敵するパフォーマンスを発揮しており、4.3万円程度で買えるCPUとは思えない高性能をTDP65Wで実現しています。

 結局のところどれも魅力的なCPUである第3世代Ryzenですが、動画やCG制作をされる方や最高性能を求める方ならRyzen 9 3900X、汎用性に優れたCPUを求めるならRyzen 7 3700X、コスト重視で選ぶならRyzen 5 3600というあたりで検討されてみることをおすすめいたします。

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