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第3世代Ryzen向け電源ユニット選びのポイント

 本日は第3世代Ryzenを使った自作PCを組む際に用意する電源ユニットについて、意識しておきたいスペックをご紹介します。

●電源選びの基本をおさらい
 第3世代Ryzen向けに用意する電源ユニットで特に意識したいスペックを紹介する前に、改めて電源ユニット選びの基本について簡単にご紹介します。

 電源ユニット選びで最も重要なのは、必要な「出力容量」を必ず確保することです。それも500Wや750Wと表記される「総出力」だけでなく、「電圧ごとの出力」が不足しないよう確保する必要があります。これは電源ユニット選びの基本であり、これ以上に優先すべきことはありません。

・参考記事:電源ユニットの選び方 ~ 電源ユニットの出力表の読み方

 出力の確保と並ぶ最重要ポイントがコネクタとケーブルの構成です。容量が十分でも各パーツと接続するためのコネクタやケーブル本数が足りずに配線できないと、パーツに電力を供給できません。

 別売りの分岐コネクタや変換コネクタを使ってある程度カバーできますが、基本的には使う予定のパーツ全てに配線できる電源ユニットを選びましょう。

・参考記事:電源ユニットの選び方 ~ 数だけで判断すると失敗しがちな電源コネクタ

 上記2つの要素を抑えた上で意識したいのが電源の変換効率です。これ「80PLUS」で規格化されており、上位規格の高効率電源を選ぶほど、電源ユニットでの変換ロスによる消費電力や発熱を削減できます。

 ただ、高効率になるほど電源ユニットのコストは高くなり、価格差を電気代で回収するのは困難になります。常時高負荷で運用し続けるという訳でなければ、GOLD認証電源あたりが費用対効果の高い選択となるでしょう。

・参考記事:電源ユニットの選び方 ~ 80PLUSとは?

●第3世代Ryzenで意識するべきポイントはCPU給電コネクタの数
 第3世代Ryzen向けに電源ユニットを選ぶ場合、特に意識したいのがCPU給電コネクタの数です。

 現在、一般的なマザーボードの多くが「EPS12V」という8ピンタイプのコネクタでCPU用の電力供給を行っていますが、第3世代Ryzenと同時に発売されたAMD X570 チップセット搭載マザーボードでは、基本のEPS12Vに加え、もう一系統のEPS12Vや4ピンのATX12Vを備えているものが多くなっています。
EPS12V&ATX

▲EPS12V(8ピン)とATX12V(4ピン)の共通コネクター(Silverstone製品より)

 これらのコネクタは動作に必須ではないものがほとんどですが、これを利用することによって電源ケーブル1本あたりの電流量を減らすことができるため、ケーブルでの損失を減らしてケーブルやコネクタの発熱の減少と供給電圧の安定化が図れます。特に、第3世代Ryzenをオーバークロックして運用したいとお考えの方であれば、ぜひとも利用するべきです。

 したがって、第3世代Ryzen向けに電源ユニット選びでは、CPU給電用のコネクタとケーブルを2系統備えたものをおすすめします。これらEPS12V、ATX12Vを2系統備えている電源は限られているため、使用するマザーボードと電源の仕様を事前に確認しましょう。

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