メモリの知識

DDR4-3600メモリってちゃんと動くの?

 DDR4-3600メモリが結構安く出回るようになって、購入されている方も多いかと思います。

 ですが、ネット上のレビューや掲示板を見ると、DDR4-3600で動作しなかったという例も多いようです。どうすればDDR4-3600動作が可能なのか、どんな環境だとダメなのか、ちょっとポイントを整理してみましょう。

INTELはZ370、Z390が推奨

 INTEL環境であれば「Z370、Z390チップセット+第8、第9世代Coreプロセッサー」が推奨です。
 メモリクロックの耐性はマザーボードとCPU、どちらの耐性も関係してきます。CPUにはメモリコントローラが内蔵されていて、CPUの世代が上がるごとにメモリクロック耐性はよくなってきています。ですのでCPUの世代でだいたいのメモリ耐性は区切ることができます。
 DDR4-3600で安定動作を得るには第8世代、第9世代のCPUを選ぶんだほうがいいでしょう。より前の世代のものでも動作するものはありますが、ハイエンドマザーや耐性のいいCPUが必要となります。

AMDは第3世代Ryzenの使用が前提

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 AMDの場合は、第3世代Ryzenが第一条件です。AMDで動作しない例は第2世代Ryzenを使った場合が多いようです。実際、第2世代ではDDR4-3600動作はなかなか難しく、一般的にはDDR4-3200までの動作と考えたほうがいいでしょう。
 またRyzen5 3400G、Ryzen3 3200Gなど型番は3000番台でありながら、第2世代アーキテクチャー「ZEN+」のものです。高クロックメモリを使いたい場合は「ZEN2」アーキテクチャーのCPUを選ぶ必要があります。

 マザーボードのチップセットはX570一択です。X470、B450はマザーのスペック上、DDR4-3600以上を謳っているものは少ないです。ですがBIOS更新により高クロックメモリが動作しやすくなってきています。もし、すでにX470やB450マザーを持っている場合はBIOSアップで試してみる価値はあります。ひとつの目安はマザーボードのメモリQVLでDDR4-3600メモリがラインナップされているかを確認してみることです(ただしQVLは絶対動くと保証されているものではありません)。

メモリの構成

 メモリの構成としては8GB×2が一番通り易いです。4枚組の8GB×4になると、動作ハードルは一段高くなります。4枚で使う場合は、2枚セットのものを2組ではなく、4枚セットの製品を選んでください。また16GBモジュールはDRAMが両面実装となり、倍のDRAM数となるため、片面実装のときよりは動作は厳しくなります。特に古いチップセットの場合は16GBモジュールでの動作は安定しづらくなります。

マザーボードのBIOSアップデート

 DDR4-3600動作しなかった場合、まず試したいのはBIOSアップです。特にAMDチップセットの場合、マザーボードの発売時よりBIOSアップデートを行えば、メモリ耐性がアップすることがあります。
 BIOSアップデートは必ず安定した環境で行ってください。DDR4-3600で安定動作していない場合は、DDR4-2400などにクロックを落として起動させてから、BIOSフラッシュツールを使ったほうが確実です。

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▲ASRockのBIOSフラッシュツール

メモリクロックを落として使う

 DDR4-3600動作しない場合の対処方法を紹介します。BIOSでXMPを読み込み、メモリクロックだけDDR4-3466、DDR4-3200、DDR4-2933などに落としてみてください。
 安定動作できれば、CPU、マザーボードが原因の可能性が高いので、そのまま利用するのがいいかと思います。この場合、他のメモリに交換してもDDR4-3600で動作する可能性は低いです。

 現在はDDR4-3600とDDR4-3200の価格があまり差がないため、この方法を知っていれば、DDR4-3600を買って動作が不安定なら、DDR4-3200などに落として使うという買い方ができます。ただし、自分で安定動作を見極める知識は必要です。

 この方法でDDR4-2666まで落としても、動作が不安定の場合はメモリが不良の可能性があるので、購入元に問い合わせたほうがいいでしょう。またメモリの不良を見極めるには1本ずつテストしてみる方法もあります。特定の1本だけ動作が不安定な場合は、そのメモリが不良の可能性があります。

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