2021年1月時点のCPU製品を「ハイエンド」「ミドルレンジ」「ローエンド」の3つに分類し、各クラスごとに製品ラインナップと選択のポイントを紹介する「CPUの選び方~2021年初頭版」。第3回の今回は「ローエンド」クラスのCPUをご紹介します。
4コア以下のCPU製品をリストアップ
今回、ローエンドCPUとしてリストアップしたのは、4コア以下のCPU製品です。主に、AMDのRyzen 3とIntelのCore i3以下のCPU製品がリストアップされており、このクラスのCPUはパフォーマンスよりもコストを重視した製品となっています。
Ryzen 3 PRO 4350Gや1万円少々で買えるCore i3-10100系に注目
ローエンドクラスのCPUは性能よりコストに重きが置かれた製品ですが、IntelとAMDはともに1~2万円の価格帯に4コア8スレッドCPUを投入しています。これらは、数年前のCore i7と同等以上の性能を備えており、少なくないユーザーの要求を満たせるだけの性能を備えています。
特に、Zen 2ベースのCPUに強力なGPUコアを統合した「Ryzen 3 PRO 4350G」や、1万円少々で購入できるCore i3-10100系は、このクラスの製品の中でも実性能とコストパフォーマンスの高い選択肢となっています。
超低価格帯の選択肢が多いIntel、アップグレード先が豊富なAMD
より低価格な製品に目を移すと、2コア4スレッドのPentiumや、5,000円前後で購入できるCeleronなど、低価格帯の選択肢はIntelの方が多く用意されています。これらの製品は内蔵GPUを備えているため、メール確認等の軽作業用や、自作NASの構築などを低コストで実現するのに適しています。
一方、AMDはIntelほど低価格帯の製品が充実していませんが、AMD 500シリーズチップセットに正式対応する第3世代Ryzen(Zen 2)やRyzen 3 PRO 4350Gと、同チップセットを搭載するマザーボードの組み合わせを購入していれば、最大で16コアまでのRyzen 5000シリーズや第3世代RyzenにCPUを載せ替えるだけでアップグレードできます。
※Ryzen 3000 APU(Zen+)はX570以外のAMD 500シリーズチップセットに非対応で、Athlon 3000Gは全てのAMD 500シリーズチップセットに非対応です。
将来的なアップグレードを前提にCPUを選択するのであれば、上位に強力な新世代CPUが存在するAMDは魅力的で、ローエンド製品の性能で割り切れる用途ならIntelの豊富なローエンド製品群を検討してみるとよいでしょう。