NVIDIAとAMDから登場した新世代ハイエンドGPUは、素晴らしい性能を実現する一方で、従来よりも消費電力が増加しています。今回は、新世代GPUに備えるための、電源ユニットの選び方を紹介いたします。
消費電力300W級のGPUに必要な電源容量は?
NVIDIAのGeForce RTX 30シリーズとAMDのRadeon RX 6000シリーズには、上位GPUでは消費電力指標が300W以上の製品がラインナップされており、電源ユニットへの要求はより厳しいものとなっています。
NVIDIAとAMDは、ユーザーが適切な容量の電源ユニットを選択できるよう、GPU毎に推奨電源容量を公開しています。それをまとめたものが以下の表です。
上位モデルほど推奨電源容量は大きくなっており、上位モデルでは750~850Wの容量が推奨されています。これは電力指標(TGPやTBP)よりずいぶん大きなものですが、これはビデオカード以外のパーツ(CPUやHDDなど)への供給電力分を考慮した数値であるためです。
NVIDIAの推奨電源容量は「Core i9-10900K(TDP 125W)」ベースのシステムで利用した際のものであるとされており、より大きな電力を消費するCPUを搭載したシステムでは、その分大容量の電源を選択する必要があります。
なお、AMDは推奨電源容量の基準となるCPUを公開していませんが、こちらもSocket AM4(Ryzen 9 5950X以下)で利用した際の数値であると考え、Ryzen Threadripperのような大電力を消費するCPUとの組み合わせる場合は、その分電源の容量も大きくすべるきでしょう。
効率よりも容量とケーブル&コネクタ構成を重視しましょう
電源ユニット選びにおいて、「80PLUS」で知られる変換効率に目が行きがちですが、使用するパーツと接続できるケーブル&コネクタを備えていることと、各パーツが要求する電力を供給できる能力があることは、変換効率の良し悪しよりはるかに重要です。
上位GPUで推奨される750W以上の電源ユニットの多くは、ケーブル&コネクタが充実しているため、新世代GPUに相応しいパーツ構成で構築したPCの各パーツに変換コネクタを用いずとも配線できますが、600W以下の製品になるとケーブルとコネクタの数が少なくなってきますので、必要なものが揃っているか注意深くチェックすべきです。
電源容量は先の推奨電源容量が選択の目安となりますが、確実な供給能力を確保すべく、総容量より12V出力に注目することをおすすめします。12V出力が1系統のシングルレール仕様で、12V出力だけで推奨電源容量級の供給能力があるなら、より安心して利用できるでしょう。